自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。

小津先生と行った御茶の水、クロサワが手の甲に置いた「蚊」、美智子妃からの一筆など、極上の思い出を端正な語り口で綴った一冊

記された人の名を墨で消すとき、その人の面影が鮮かに甦る。懐かしく温かな思い出の数々を端正な江戸前の語り口で綴る名エッセイ

亡くなった人のことばかり思い出す此頃です―。記された人の名を墨で消すとき、その人の面影が鮮やかに甦る。懐かしく温かな思い出の数々を端正な江戸前の語り口で綴るエッセイ。

再び会えぬ人の名に出会うとき、あたたかな思いがよみがえる。大切な記憶を端正な語り口で綴る名エッセイ。

目次
あなた食べます
店仕舞
もうすぐ春です
住所録
人間スフィンクス
クロさんのこと
老いの花道
私だけの弔辞
私のご贔屓・松竹梅
たけしの母と秀子の母
栄作の妻
五重塔と西部劇
美智子さまへのファンレター
呼び名
身辺あれこれ・年金化粧
私の死亡記事「往年の大女優ひっそりと」

レビューより
高峰さんの本は、裏切られることがない。
個人的に高峰秀子さんブームで買った本の１冊。簡潔なエッセー集なので，すきま時間に楽しく読めました。意外とおどろおどろしい食べ物がお好きだったようで，血の気が引くエッセーもありました。大女優なのに気取らず，無駄のないさっぱりした文章で，ご本人のお人柄もこういう風だったのかなと思いました。


小津監督や黒澤監督、木下監督の事などや、様々な人間模様が書かれている。高峰秀子さんの出演映画『衝動殺人　息子よ』を映画館で観た記憶が、よみがえる。あのあたりから、映画には出演されていないとの事。インターネットで調べたら、８０いくつの、ご高齢だ。ほかの本も、読んでみたくなる。


熱烈ファンの行動が印象的だ。いわく柿の葉寿司を送らなくては気がすまない半ば押し売り的な奈良のファン、いわくタイ在住者で猛烈な勧誘攻勢でついにバンコックまで高峰秀子を呼び寄せた灰田勝彦の元・取り巻き。小津安二郎、黒澤明、木下恵介との映画製作を通じてのエピソード、淡谷のり子、佐藤栄作夫人・寛子の知られざる一面を示すエピソードも興味深い。特に子役時代に示した演技力の一端が紹介されているが名監督が使いたがった理由が分かる気がする。子役から大成した唯一の大女優の面目躍如。