20×14.1㎝
全11丁(墨付10丁)
【題箋】筆で塗りつぶしてあって、「無」の字が辛うじて見える。
【内容】半丁に二句記せるような枠が引いてある。上部には「○ツトセ」と横書きに書けるようになっている。
【因みに】一句ずつ読んでいくと、方言らしき表現が目についた。裏表紙に
長野 文
齋藤用用
齋藤用
斎藤用
等と、所有者の名字らしきものが記されているので、ひょっとして「長野地方」の方言かもしれない。
・へ→ひ ・い→へ ・を→お ・べ→び ・よ→い ・・・
【因みに】なぜか、通常(紙の末尾)と違う丁付け(紙の頭)をして仕舞った。ご容赦あれ。
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一ツトセ へ(ひ)とい(へ)にを(お)じひをよろこべば 1丁表
このたび浄土い(へ)はつまいり
二ツトセ ふたゝべ(び)あわれの御本願
こゝろをしめてよくきけよ
三ツトセ みだのをじひがないならば 2丁裏
なくなくぢごくによ(い)くみそと
四ツトセ よくよくをじひを如來様
いやがるわたしをむりやりに
五ツトセ いつまでもいきるとをもわんす(ず←否定のず「不レ思」)2丁表
きうもしれないむじやうなり
六ツトセ むりにきかせてくたさるゝ
すがるをもいになるばかり
七ツトセ 南無阿弥施(陀)佛を称れば 2丁裏
南無阿弥施(陀)佛のくにゝよく
八ツトセ やまいのねをきる如來様
南無阿弥施(陀)仏の六字丸(也)
九ツトセ かうめやうかゞやくごくらくに 3丁表
をつゝ來〔まい〕らせくださるゝ
十ツトセ とくとくこうをよくきけよ
きゝまちがいては一大じ
十一ツトセ 一せや二せのをてだてか 3丁裏
むしよりこのかたこのよまで
十二ツトセ 二たせとかわせしふうふでも
りやうきがちがい(へ)ばこのよきり
十三ツトセ 三千せかいのあくにんも 4丁表
しらせてたすけてくださるゝ
十四ツトセ しでの山ぢにてらがない
このよでよくよくきがしやんせ
十五ツトセ ごしう(後生)大事にねがわんせ 4丁裏
このよはわづかのかりのやで
十六ツトセ 六くしんけんそくあつまりて
ないてもよんでもまにあはす
十七ツトセ 七ほうれんげのそうゐで 5丁表
くわんをんせじをともだちに
十八ツトセ 八千八たびのごくらうも
つゝめてきけばわたしよい
十九ツトセ くほん浄土はをうけれど 5丁裏
女人はよくことかなわづそ
二十ツトセ にせものたづけず弥陀佛ぞ
まことのりやくにならしやんせ
二十一ツトセ 一ばんがけのめあてぞと 6丁表
女人はこのたびしやはせぞ
二十二ツトセ 人げんせかいのかなしさは
西まていきのぶんはなし
二十三ツトセ 三づの大河をわたるとき 6丁裏
ないてもよんでもこんあはぬ
二十四ツトセ しんじつしんじつをるときは
如來のまことのいたるとき
二十五ツトセ こねん入たるをきうじを 7丁表
だべ外事にきゝながす
二十六ツトセ ろくろくしんじんきゝもせで
■(し?)たかをするのはあぶないぞ
二十七ツトセ しんじつ地様はいやでない 7丁裏
しうぐはこゝろにとうてみよ
二十八ツトセ 初子ときかせてくださるへ
ちしきのをかけを思はんせ
二十九ツトセ くらくにいるわたくしを 8丁表
まよいをのがさで佛とは
三十ツトセ さても此身は仕合ぞ
山たすけてくださるゝ
三十一ツトセ 一々わたしはわるけれど 8丁裏
まことこをじひの親様が
三十二ツトセ 西も東もしらのみを
そのまゝたすけてくださるゝ
三十三ツトセ 三悪道のひきかいて 9丁表
極末浄土のあとゝりに
三十四ツトセ しんじんじりきの人々は
三度のごよくはむねのうち
三十五ツトセ こうんうけたるみのうゐは 9丁裏
佛恩報するばかりなり
三十六ツトセ 六道生死をめくりきて
今本願にめくりあれ
三十七ツトセ 親鸞様に野宿させ 10丁表
どこのうらとはあわれぞと
三十八ツトセ 花降る浄土を御立出で
かほどのごくらうあそばすぞ
三十九ツトセ くともあなたは思はすと 10丁裏
よきをひとねやいしまくら
四十ツトセ 初終ちやもんいたゞけば
あついなみだがこぼれます
白紙 1丁
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【刊期等】無し
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、多数あり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。