MILES DAVIS / LISTEN TO THIS, HERBIE - LIVE AT THE PLAYHOUSE 1975 (2CD)
2023 VOODOO DOWN Records 026 (VDD 2023-026)
Supervised by SO WHAT! Label.
Recorded Live at John Cranford Adams Playhouse, Hofstra University, Hempstead, Nassau County, NY, March 22, 1975
Original Remastered by VDD 2023.
Miles Davis - trumpet, organ
Sonny Fortune - soprano saxophone, alto saxophone, flute
Pete Cosey - guitar, percussion
Reggie Lucas - guitar
Michael Henderson - electric bass
Al Foster - drums
James Mtume Foreman - conga, percussion
DISC 1 (First Set)
1. FUNK (PRELUDE Part 1)
2. MAIYSHA
3. RIGHT OFF incomplete
4. Improvisation - IFE
DISC 2 (Second Set)
1. CALYPSO FRELIMO incomplete
2. FOR DAVE (MR. FOSTER)
3. TURNAROUNDPHRASE - fade out
1975年3月のホフストラ大学でのライヴを収録。一説にオーディエンス収録ではなくバンド・レコーディング(ステージ上で録音されたもの)とも言われている音源に、レーベル独自の細心のリマスタリングを施し収録。きつかったヒス・ノイズは大幅に軽減され、ブーミーだったベース・ラインもギュッと引き締まり聴きやすさが格段に向上しました。さて、ちょくちょく意味深なタイトルでのリリースが散見されるVDDレーベルですが、今回は『LISTEN TO THIS, HERBIE』。これはレッド・ツェッペリンのファンならご存じ『LISTEN TO THIS, EDDIE』から来ているわけですが、“ハービー”とは勿論マイルス門下の出世株ハービー・ハンコックの事。70年代に入り日本での来日コンサートの盛り上がりや『アガルタ』『パンゲア』の盛況とは裏腹に本国アメリカではマイルスのレコードの売れ行きは芳しくなく、その反面頭角を現してきたかつての弟子たち(ハービー・ハンコックのヘッドハンターズや、ウェイン・ショーターにジョー・ザヴィヌル率いるウェザーリポートと言ったフュージョン系バンド)のレコードは売れ行き好調。当然御大マイルスは気分が良くない。そこへきてこのホフストラ大学公演はハービー・ハンコック率いるヘッドハンターズとのダブルビルで、事実上の目玉はヘッドハンターズの方という屈辱。そんな怒りの矛先が向けられた熱い演奏がここに収められています。まさに「ハービーよ、これを聴け!」そんな気分だった事でしょう。そもそもマイルス・バンドの演奏自体が“落ちた”わけではなく、たまたまこの時代にあまり歓迎されなかっただけ。今となっては『アガルタ』も『パンゲア』歴史的名盤として名を馳せ、アガ・パンに次ぐコレクターズ・アイテム『ローラシア』も売れ行き好調。数多くの音楽ファン(筆者含む)が70年代のマイルス・サウンドに心奪われています。音質こそ完璧なサウンドボードを誇る『ローラシア』にはかないませんが、本タイトルもマイルスの歴史を語る上で欠かせない貴重な音源であるとともに必聴の名演なのです。
*** ( VOODOO DOWN Records ) **********
マイルス・デイヴィスの愛好家から絶大な信頼を受け、数々の名盤を生み出した伝説のレーベル“ソー・ホワット”。その“ソー・ホワット”レーベルの完全監修を受け2020年末に発足したのが“ヴードゥーダウン・レコーズ”です。丁寧なマスタリング、編集、こだわりの帯付アートワーク、美麗なピクチャー・ディスクのプレス盤。そして、初めて“SO WHAT!”のレーベル名を併記することを許可されたことからも信頼の厚さがうかがえます。マイルス・コレクター必携コレクションとして注目を集めています。