
自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、表紙や帯など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
野上 照代
とっておき映画の話 蜥蜴の尻っぽ
野上照代は人間交差点だ! 戦時の苦闘、焼け野原に躍る作家・映画人、万博に突進する広告界……昭和を生きた女の貴重な証言を聞け
当時の撮影時の貴重写真満載
文学少女だった著者は伊丹万作と文通を重ね、終戦後、出版社で女性編集者となる。
井伏鱒二、太宰治、内田百閒などの名だたる文豪と交流し、やがて伊丹の縁で京都に渡り、
大映京都撮影所で記録見習いに。監督・黒澤明と出会う。
新米として『羅生門』の撮影現場に入り、最後の作品となった『まあだだよ』まで19本の黒澤映画に参加する。
数々の傑作を生み出した巨匠たちの素顔や交流を忘れられないエピソードとともに振り返る。
希望と混沌に満ち溢れた日本映画の黄金期を、山田洋次監督『母べえ』原作となった
自身の生い立ちとともに、懐かしく語り尽くす。
第Ⅰ部 インタビュー さらば、黄金の日々よ
第一章 焼け野原の青春
第二章 映画黄金期にすべりこむ
第三章 忍び寄る不協和音
第四章 不死鳥は飛ぶ
第五章 映画『母べえ』の原風景
第Ⅱ部 エッセイ集 落葉の掃き寄せ
三鷹町下連雀
「下戸の酒」
井伏先生とスニーカー
『赤ひげ』後のクロサワとミフネ
『静かな生活』垣間見録
『たそがれ清兵衛』の撮影現場を訪ねて
『明日へのチケット』のためにキアロスタミの家を訪ねた
文庫版付録 クロサワの素顔と撮影現場
対談〜 仲代達矢 加藤武 出目昌伸 小泉堯史
紅谷愃一
登場する方々
木村大作 月形龍之介 藤沢周平 伊丹十三
伊丹万作 大江健三郎 三船敏郎 山本五十六
井伏鱒二 亀井勝一郎 小林多喜二 三木清
仲代達矢 川喜多和子 三浦哲郎 谷川徹三
安岡章太郎 平野レミ 和田誠 矢口順
丹波哲郎 加山雄三 大橋巨泉 荒木一郎
野坂昭如 坂本龍一 桃井かおり 横尾忠則
渡辺貞夫 市川崑 マキノ雅弘 長谷川一夫
淀川長治 山崎努 宮本信子 チャップリン
加藤武 山田五十鈴 香川京子 大河内伝次郎
平林たい子 藤原審爾 藤真利子 内田百聞
ジャッキーチェン 千秋実 早坂文雄 志村喬
小林桂樹 石川淳 坂口安吾 椎名燐三
三木鶏郎ほか多数
真田広之の役者魂
太宰治に惚れていた
勝新太郎に ステーキをごちそうになる
レビューより
黒澤明監督とのエピソードに限らず、伊丹万作、山田洋次、といった映画監督のみならず、井伏鱒二、大江健三郎、はては(ほんの少しの邂逅という感じだが)太宰治や 内田百'閧ネどという文豪、あるいは竹内浩三といった最近脚光を浴びている詩人など、様々な人物との興味深い話がいっぱい。ご本人が語っているので、あまりドロドロした部分をほじくるような興味本位の過度な期待に答えるものでは当然無い。また、上記を語る基盤となっている野上さんご自身の半生では、「母べえ」のモデルとなった父母の実像がリアルに語られていて、それも興味深かった。母べえが瀕死の床にいる時に、実は父べえは別の女性と思いを交わしていた、あるいは、野上さんご自身が、黒澤作品の名カメラマン、斉藤孝雄さんと一時期結婚していた、なんていうビックリ仰天の事実も出てくる。