本ヘビ原皮(パイソン・ピンク)
巳年の2001年、インドネシア文化宮(GBI)では、1-3月の期間、「インドネシア・ヘビ革製品展」を実施しました。同国は世界的にヘビ原皮の産地として知られています。ヨーロッパの有名ブランドの多くが、インドネシアやマレーシアなどから原皮を輸入していることは周知の事実です。
これまで、単なる“原皮の輸出国”だったインドネシアでは、1997年に始まる通貨・経済危機以降、それまでにも増して、零細企業、家内工業、中小企業を中心に、「経済的自立」を目指す動きが活発化してきています。それは、豊富な天然資源と原材料を有する好条件を活かして、これまでの資源・原材料供給国から、完成品の輸出国への脱皮とも言えるでしょう。GBIでは、一連の文化紹介と並行して、そうした同国の、小さな輸出志向商品の発掘と紹介にも努めています。負債を上積みするだけの、巨額の外国投資や借款に頼る経済システムの中にあって、個々が真に経済的自立を図るためには、かつての日本がそうしたように、世界の市場に受け入れられる商品の開発とセールス活動が、極めて大切と考えるからです。そのことは、殊に小さな規模のメーカーで重要でしょう。
GBIは、そのような観点から、初めて特定のインドネシア商品、つまりヘビ革製品に焦点を当て、「インドネシア・ヘビ革製品展」を企画しました。これには、首都ジャカルタの、小規模ながら有望なメーカー計3社が参加しました。ここに、同展のディスプレイに使用したヘビ原皮を出品いたします。
これはパイソン(錦ヘビ)のスキンです。ヘビ革は、ハサミで簡単に切ることが可能です。また、家庭用のミシンでも縫うことができます。紙のような薄さですが、どことなくコーティングされた和紙の趣もあります。サイズ的には、オリジナルの財布やポーチ、ペンケース、小銭入れなどの小物を作るのに十分です。一部使用であれば、バッグなどにも挑戦できるでしょう。また、糊で何かに接着してもおもしろいかもしれません。写真の革のサイズは、おおよそ172 X 7-13cmです。
尚、一部分に小さな穴が開いたり、ちぎれたりしたスキンもありますので、事前にご了承お願い致します。これは、捕獲・加工時にできたものです。このスキンの場合、頭側から21cmの位置に、長さ約2.8cm、幅約0.6cmの細長いホールがあります(三枚目の写真の下側を参照)
インドネシア文化宮GBI=Graha Budaya Indonesia)は、インドネシアの24時間ニューステレビ局『メトロTV』東京支局がプロデュースするインドネシア情報発信基地です。
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