希少図録本 中国ラン 中国蘭 写真集 図鑑 写真解説 花物 色花 柄物 名鑑番付表 蘭蕙小史より 蘭鉢作り
蘭鉢コレクション 一茎一花 一茎九花 宋梅 覆輪 縞 ピアナンラン イトラン 杭州カンラン 杭州寒蘭 松村謙三 中国奥地のラン 松村謙三の蘭日記
ガーデンライフ 編
誠文堂新光社 発行
1980年初版
約24x19.5x1.5cm
20ページ
カラー・モノクロ
ハードカバー
※絶版
一茎一花、一茎九花を中心に、イトラン、ピアナンラン、近年渡来した奥地―四川省、雲南省のラン、人気の高まりつつある杭州カンラン等、約150枚のカラー写真を収録。
高度成長期で古典園芸文化も豊かな時代に、中国ラン栽培を極めた達人が多く出て栽培方法も確立され一般に広まり、
名品を多数カラー写真で紹介し、各種に発見地、性質や見どころなどの解説を付したもの。
見開きカラー写真と、見開きテキストページが交互に構成されており、
本書は育て方の実用書とは一線を画する内容で、
中国蘭の栽培蒐集愛好上級者向けの読み物です。
名花鑑賞の合間に、展示会場をめぐりながらラン友とたのしく語りあうような気分で読めるよう、
ラン対談、鼎談、ラン自慢などを収めています。
東洋蘭といえば外せない愛蘭家の大家、朝倉文夫の昭和8年の園芸誌に寄稿した文「蘭の素人栽培」、
同じく愛蘭家の大家松村謙三のラン鑑賞、昭和27~29年の蘭日記「我蘭記(抄)」、
宮崎敏の中国蘭鉢コレクション(モノクロ)、蘭鉢作家の欅陶房・三橋俊治、慈光窯・稲生判治による寄稿と蘭鉢作品写真(モノクロ)、
中国蘭のふるさと、中国で刊行された本『蘭蕙小史』(1923年)より、その中から品種解説にかかわる巻上・巻中の部分を抜粋、蘭旧伝名種など原文のまま約31ページを紹介した記事ほか。
日本全国のベテラン愛蘭家による思いや経験について語る寄稿、蘭自慢、ほか中国蘭にまつわる知識情報満載。
戦前の古典園芸事情についても記憶している人も多く、カラー写真も普及したこの時期に出版された本には特に優れたものが多いです。
数多くの日本全国の中国蘭栽培の名人、中国蘭の栽培販売元のプロたちの協力を得て、
たいへんな労力と費用をかけて丁寧に作られた本。
まさに愛蘭家必携の、大変貴重な資料本です。
【執筆者一部紹介】
黒崎陽人
洋画家ル・サロン(フランス官展)会員。フランス美術協会々員フランス芸術家連盟会員。邦画雅号・悟陽山樵。
フランス官展一九六八年サロン・デザルティスト・フランセにて銅賞(Mention Honorable)を受賞。海外展招待。
趣味として東洋蘭を研究培養。著書「東洋蘭」(泰文館発行)「東洋蘭画集」。土佐寒蘭会、紀州愛蘭会、園芸趣味の会他各蘭会の名誉顧問及び顧問。
松村正直 愛蘭家の大家として知られる政治家の松村謙三の子息
ほか
【目次】
<一茎一花>
一茎一花とは 亀谷俊司
名花・宋梅によせて 宮崎 敏
朝倉文夫先生とラン・自然に学ぶ心 山田政義
蘭の素人栽培-昭和八年刊『実際園芸』より 朝倉文夫
プロにきく・知っておきたいこと①梅弁の部 有賀勲彰・宮崎薫一・宮崎敏
中国ランの美―思いつくままに 黒崎陽人
①②③④⑤⑥
プロにきく・知っておきたいこと②水仙弁・荷花弁・素心・奇種の部
有賀勲彰・宮崎敏
中国ランのすすめ 桑原駿介
野生作りのすすめ 宮崎敏
中国ランと私 中村彌豫二
ランきち対談 関山操・村上鋳之助
①②
親ばかならぬランばか 今関正美
『蘭蕙小史』より
プロにきく・知っておきたいこと③色花・柄物の部 有賀勲彰・宮崎薫一・宮崎敏
<一茎九花>
一茎九花とは 亀谷俊司
地図・中国ランのふるさと
ランの鉢・慈光窯 稲生伴治
慈光窯ラン鉢個展
私の鉢作り・欅陶房 三橋俊治
欅陶房ラン鉢個展
中国蘭の鑑賞と培養-昭和六年刊『実際園芸』より 小原栄次郎
①②③
プロにきく・知っておきたいこと④一茎九花・奥地のランの部 有賀勲彰・宮崎薫一・宮崎敏
宮崎敏・中国ラン鉢コレクション
松村謙三先生のラン生活 早川源蔵・松村正直・山本重男
我蘭記(抄) 松村謙三
①②
イトラン
一花・九花以外のラン 亀谷俊司
ピアナンラン
杭州カンラン
松村謙三先生と奥地のラン 早川源蔵・松村正直・山本重男
奥地のラン
松村謙三先生のランづきあい 早川源蔵 松村正直 山本重男
松村謙三先生のラン鑑賞 早川源蔵 松村正直 山本重男
雪蘭・獅子遊
さくいん
【はじめに】より
小さな鉢にひっそりと息づく草が、人生にどんなうるおいをもたらすかは、東洋ラン全般についていえることでしょう。しかし中国ランのばあいはそれが日中友好の大きな陰の役わりをも果たしたとは、ランという植物のふしぎな、無限の力を認識する機会に遭遇しなければ、とても理解できることではないかもしれません。
いま東洋ランの人気はますます高まっていますが、その東洋ランの美の基本となっているのが中国ランで、園芸としての長い歴史を誇っています。花の形、葉の色、つや、姿からそれを植えるラン鉢に至るまで、愛好者の美意識に磨きぬかれて洗練され、園芸としてより芸術として培われてきたという感じさえします。そんな誇り高い中国ランのみを、今回、長い間の念願がかなって一冊にまとめることができました。そこでまず温故知新、中国ランに関する園芸書をたずねてみました。第一は大正末から昭和初期にかけて、ようやくわが国での中国ラン栽培が盛んになりはじめたころ、原点として教科書のように愛読された中国・民国十二(大正十二)年刊の『蘭蕙小史』です。その中から品種解説にかかわる巻上・巻中の部分を抜粋して掲載しました。温故の第二は昭和初期、いまから半世紀も前に中国からランを持ちこんで今日の盛況をもたらした業者・小原栄二郎氏が昭和六年に書かれた「中国蘭の鑑賞と培養」です。小社で発行している『農耕と園芸』の前身『実際園芸』に掲載されたものです。
温故の第三はおなじく昭和八年刊の『実際園芸』に見つけた芸術家・朝倉文夫氏の書かれた「蘭の素人栽培」で、小原氏の原稿同様、栽培に関しての苦心がうかがわれます。第四の温故はランを日中友好のかけはしとした政治家・松村謙三氏の「我蘭記」です。これらの温故を基にして、いかにして知新をすすめていくかがこれからの課題でしょう。中国産のシンビジウムには、春にさきがけて咲くホウサイラン、タイミンラン、雪蘭、イトラン、ピアナンラン、雲南雪素をはじめ一茎一花、つづいて一茎九花、ナギラン、ソシンラン系統、ココンリン、スルガラン、メラン、ギョッカラン、ギョクチンラン、近年渡来した杭州カンランなど年間を通じて花開くものがいろいろありますが、展示会の行われるもの以外は撮影の機会もなく、残念ながら収録することができませんでした。
中国ランは日本シュンランなどと比べると歴史がずっと古いうえに海外から渡来したため、札落ちになったり混乱したりというものも多少はあり、『蘭蕙小史』にも記載もなく経歴不明というものもありますが、花のいいものはとにかく展示会に出品された状態でお目にかけたいと思って収録しました。香りをお届けできないのは残念ですが、展示会を観覧されているお気持ちで、ページをめくっていただければ嬉しいと思います。(編集部)
【掲載品種カラー写真解説】一部紹介 ※一茎一花 一茎九花に解説があります。
宋梅
乾隆年間(1736~95年)に発見された。紹興で宋錦旋という人が栽培したところから『蘭蕙小史」などには宋錦旋梅と記されている。発見時には荷形水仙に咲いたが、栽培するうちに梅弁になったという。中国ラン一花・四天王の一つで、ビロードのような光沢があり、ブルーを含む淡翠緑色の平肩花。厚肉だが花弁の周辺がうすく、わずかに内側に巻くので覆輪をかけたように見える。弁もとはしまり、弁さきに微突が見られる。やわらかい蚕蛾かぶとは軽く抱きあい、舌はしまって垂れることはない。葉は紺地強く厚肉、葉もと、葉さきは細くしまり、光沢よく中垂れで、葉姿は申しぶんない。
楊氏素
大正9(1920)年に寧波の楊氏が発見、昭和9(1934)年に渡来。主副三弁とも短円形で厚肉、やわらかい雰囲気の花。捧心は端正にかかえ、大円舌は純白、花茎は淡白緑色。この花の惜しまれる点は花茎がのびにくいことで、地ぎわで咲きたがることだ。渡来当時は葉は従容とのび、花弁も長円で花色もさえた翠緑色であったが、近時、作のせいか翠蓋のように葉もつまり、これにともなって花弁も短円形となり、花形はよくなったが色は以前より緑色が増して、やわらかさに欠けるようになったといわれている。
紫雲嶺
昭和10(1935)年ごろ、中国から輸入された山採り株の中から選出されたもので、戦後日本で命名された。主副三弁とも楕円形の落肩花で、株に力がないとき以外はほとんどが二段咲きとなる。花弁は正面は赤筋がはいるていどだが、裏側は紫紅色。舌は白色で、紅点が二条の線状にはいる。葉は紺地、細葉で中垂れ。性質は丈夫で繁殖,花つきともによい。
古来、中国では澄んだ緑色の蘭花をもっとも貴しとしたので、その観点からすれば異端ともいえる紫紅色花が、昭和初期に渡来した山採り品の中から種々出現しており、いずれも日本で名づけられた。
極品
明治34(1901)年に杭州の人が発見し、昭和9(1934)年に渡来。『蘭蕙小史』によると、最初は程梅とおなじように梅弁に咲いたとあるが、現在見るところでは、主副三弁とも円頭だが、長円。鮮明な淡翠緑色、厚肉の平肩花。捧心には硬いかぶとがある。竜呑舌に鮮やかな紅点があるが、捧心とついているのでのぞいてみないとわからない。子房も花茎も淡翠緑色でにごりがない。花茎は太く直立する。集肉は厚く、半立ちで、葉脈は強い。性質は丈夫で、繁殖、花つきともによい。
【カラーページ】解説 大栄浩・黒崎陽人・宮崎敏
桂円梅 宋梅 西神梅 逸品 万字 吉字 賀神梅 綠英 小打梅 天緑梅 天興梅 汪咲春 翠桃 湖州第一梅 集円 発揚梅 雪美人 円梅 瑞梅 汪章尚 鶴市 無双梅 竜字 汪字 宜春仙 翠一品 春一品 大富貴 憲荷 大魁荷 翠蓋 寰球荷鼎 楊氏素 玉梅素 素月仙 蔡仙素 老文団素 富岡素 白宋素 張荷素 素大富貴 天童素 和尚素 酒氏素 竜泉素 王氏素 文団素 鶴裳素 綠雲 四喜蝶 簪蝶 珍蝶 小胡蝶 笑蝶 素蝶 蝶余 胡蝶 紅露峰 紫雲嶺 朱瞬酔 天司晃 紅竜字 芳苑香 富水春 軍旗 極品 大一品 潘緑梅 翠夢 仙録 楼梅 綠蜂巧 畳翠 東麓金鶏 仙霞 鄭孝荷 江南新極品 元字 程梅 老染字 崔梅 虞山梅 解佩梅 南陽梅 秀字 常元梅 長寿梅 端蕙梅 赤虎 温州素 金峽素 如意素 江山素 金華素 翠定荷素 天門素 宝蕙素 イトラン白雲 イトラン白花 イトラン雪舟 イトラン桃花 イトラン呉鳳 ピアナンラン白花 ピアナンラン中原紅 ピアナンラン素通姫 ピアナンラン藤姫 杭州カンラン翡翠環 杭州カンラン御旗 杭州カンラン洞庭湖 新紅草 峨眉素 大紅朱砂 金蝶飛 九子蘭 雲南雪素 四川雪蘭
★状態★