ガラス彫刻作家・村上裕美の作品集、「Diamond point engraving 手彫りガラス装飾: ヨーロッパの伝統的手工芸」です。美術出版社刊(2005年)、ハードカバー・大型本、107ページ。状態はカバーに僅かな痛みがあるものの、全体として未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。
★内容: 手彫りによるガラス装飾のDiamond Point Engraving (ダイヤモンドポイント彫刻法)は、ヨーロッパの伝統的な手工芸です。18世紀後半、特にオランダで独自の細密な描法や表現へと発展し、広く世界に普及したガラス芸術であることが知られています。尖端にダイヤモンド粒子の付いた彫刻針を使用し、ガラス面に線と点を刻して文様を描く技法で、線描はScratching (スクラッチング=刻み込み法)、点描は Stippling (スティップリング=点刻法)と呼ばれ、種々あるガラス装飾の中で「加飾法」に分類されるものです。 現在ではガラス(素材)やダイヤモンド針(用具)などが良質になり、極めて繊細な作品をつくることが出来るようになりました。反面、ダイヤモンド針のみによる表現の単調さは否めず、他の針などを加えることでより豊かな表情をつくり出すことが出来るのではないかと、数年間にわたって試行錯誤した結果、新彫刻針として、暈しの出来るファイパースティック、ダイヤモンド粒子入グミ、等々を、さらに繊細なレース文様などを彫り出すことを可能とするダイヤモンド不着の尖端0.4mmの超硬カッターに辿りついたのです。 新技法の完成は、ガラス装飾にとって一つのエポックメーキングであり、その感動は昨日のように思い出されます。この技法は2000年に針および彫り方を公表、2001年にはその針による使用作品の実際を展示会にて発表いたしました。 時代はすべてにおいて移り変わり、走り続けます。人類がつくり出した華麗なる ガラス文化・・・・・・、その中でガラス装飾の伝統は継承しつつもとらわれることなく、 新たな用具や技法を次代に伝えてゆくのは大切なことであると思います。 この作品集を通じて、手彫りによるガラス装飾の奥深さやモノトーンの世界から色や風、静や動を享受いただきながらご高覧くだされば幸いでございます。“不可能を可能に” ガラス彫刻装飾 村上裕美 (本書より)
ナイーヴに、次代へのメッセージ
1 繊細さと美しさを極める レース彫り
2 独自のフォルムを創造する 被せガラス
3 多様な彫り方による 多彩な表現
付・ガラス装飾(彫刻)参考レジュメ
★作者、村上裕美は神奈川県横浜市生まれ。理屈なくガラス大好き。輝く光と影が織りなす優美で繊細なガラスに魅了されて、幼少の頃シャンデリアは不思議な物体であると思っていた。その後、Diamond Point Engraving に出会い、自ら制作したガラス器に加飾する All Handmade の作品を吹きガラスその他の技法でつくること、彫ることに同時に専念するようになった。1999年作品集出版。2000年機関誌、図案集、針その他の新用具を公表。2001年新針使用の作品展、機関誌などにて針その他の新用具の使用方法と彫り方など、ダイヤモンドポイント彫刻法全般に関するアイデアを発表する。その他、個展、作品展(共同)を数回開催するなどガラス彫刻装飾に関わり続け今日に至る。
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