東の虎徹と並ぶ新刀の大横綱・毛利家伝来 「 津田越前守助広 」延宝三年紀丸津田銘・溢れる見事な濤瀾刃・薫山先生鞘書き・特別貴重刀剣

津田越前守助広は、新刀最上作にして大業物。 寛永14 年摂津国打出村に生まれ、初代助広（ソボロ助広）の養子となる。 明暦3 年「越前守」受領のち、大坂城代（青山宗俊）に召抱えられる。 大坂新刀の代表刀工であり、新刀屈指の巨匠で、江戸の横砂と呼ばれる「長曾根興里入道虎徹」とともに、新刀の西の横綱と云われ、特に延宝年紀の有る「丸津田銘」は、出来が大変に優れているため、非常に人気が高い。
刀匠であった養父に学び、22 歳で独立。 茎の銘が時期により異なる。 22 歳から30 歳までは「源・藤原」銘、31 歳から38 歳までは「津田」の田の字を楷書で切った角「津田銘」38 歳から晩年の46 歳までは草書で丸く田の字を切った「丸津田銘」を使用した。
作風は初期には養父、大坂新刀諸工に見られる足の長い丁子刃等を焼くが、壮年期に大互の目乱れを波に見立て、地に玉焼きを交える濤瀾刃を創始し、後世含め諸国の刀工に多大な影響を与え、人気を博した。 弟に「津田越前守照広」妹婿に「津田近江守助直」がおり、それぞれが名工である。 門人には「常陸守宗重」や「大和守広近」などがいる。

本作は「丸津田在銘・助広」裏には延宝年紀が切られ、躍動感溢れる見事な濤瀾刃にして、飛び焼き水玉配置され、地鉄はよく練れよく詰み、地沸細かにつき、小板目に杢目を交える。 鎬地は柾がかる。刃は匂口の沸、匂い深く明るく冴えている。帽子大丸で返る。 特別貴重刀剣認定書が附属し、鞘には本間薫山先生の鞘書きがあり「毛利家伝来」である旨が揮毫されている。

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長さ・・・・2 尺3 寸8 分
元幅・・・・約3.18 ｃｍ
先幅・・・・約2.0 ｃｍ
元重・・・・約6.7 ｍｍ
先重・・・・約5.0 ｍｍ