大和出版。1960年刊、初版。非貸本。カバーの端に少ヨレ、表面に少スレ・傷。表紙の端・角に少ヨレ。カバー・本体ともに経年のシミ・汚れがかなりあり(茶ジミの目立つ頁あり)、162頁の上部に青黒いシミ(4文字ほどにかかっていますが、文字自体は判読できます)。65〜66・161〜162・167〜168頁の下部に裂け(いずれも余白部分)、147〜154・235〜236頁の数箇所に裂け(いずれもほぼ余白部分)、227〜228頁上部に裂け(文字にかかっていますが、文字自体は欠けておらず、判読可能)。装幀:冨賀正俊
【内容紹介】
丸坂鋼業の新入社員の足柄金太郎(かねたろう)は橋爪専務から、東京本社ではなく、神戸支店への配属を申し渡される。専務の話では、神戸支店の成績が上がっておらず、ひとはいいが消極的な西松支店長の姿勢が、どうやら影響しているらしい。自社の株主で密接な関係の取引先だった神戸製鋼船具商会とも、前社長の島崎氏が一年ほど前に急逝してから疎遠になりつつあった。なくなった島崎氏は大学でラグビーの選手をやっており、金太郎も大学時代にラグビー部でフルバック兼キャプテンをしていたことが、今回の辞令の決め手だった。神戸製鋼船具商会は故人のひとり娘の早苗が後を継いでやっており、故人の腹違いの弟にあたる支配人の島崎司郎氏が早苗の後見人だという。前社長のラグビー部の後輩として神戸製鋼船具商会の早苗を訪ね、それを足がかりに、どうにか同商会との関係を修復してほしいというのが、橋爪専務の要望だった。
数日後、神戸支店に赴任した金太郎は、その翌日さっそく神戸製鋼船具商会を訪ねるが、応対した早苗社長と島崎支配人からけんもほろろの扱いを受ける。退社後むしゃくしゃする気持ちを抱えながら神戸の街を歩いていた金太郎は、ふと思い立って、自分を自宅に下宿させてくれた親切な先輩社員の富原の恋人が小間使をしている、芦屋にある美術評論家の丘安次郎の邸を訪れる。そこではふたまわりも歳下の丘夫人の主催で定期的にパーティが開催されており、この日の晩、早苗も行っていたからだ。
丘邸に早苗はいたものの、自身も神戸製鋼船具商会の社員で島崎支配人の甥にあたる近藤岩四郎なる青年が、早苗の代理で話をつけてやると、金太郎を外に連れ出し、丸坂鋼業とは二度と取引するつもりはないと言い放ち、襲いかかってくる。金太郎がその身体を肩にかついで投げ飛ばすと、相手はナイフを抜いて反撃の態勢をとる。そこに富原が駆けつけ、背後から組み伏せたことで、どうにか事なきを得た。それからほどなくして、神戸支店に早苗から非礼をわびる電話がかかってくる。近いうちの再会を約して電話を切った金太郎だったが、早苗が急に丸坂鋼業との仲を疎遠にしようとした理由は依然として謎のままで、仮に叔父の支配人が早苗をあやつって、丸坂鋼業との仲を疎遠にしようとしているのならば、そこにはなにか理由があるはずで、ひとつそれを探ってみようと、金太郎は心に決める。やがて、それに九州で起きたとある悲劇的な出来事が関わっていることがわかってくる。そして神戸製鋼船具商会の前社長の一周忌の夜、とんでもない事件が起きる……。
神戸製鋼船具商会が丸坂鋼業との取引を停止した理由という、ささいな謎を解明しようとしているうちに、予想だにしていなかった過去の犯罪が姿を現してくる展開があざやかで、犯人のたどる因果応報ともいうべき末路も強烈……ではあるものの、予定調和的な結末を裏切るような部分もあり、それが独特のあと味を残す。中盤から終盤にかけ、物語は加速度を増し、スリリングな場面も頻出するが、そのなかにあって、金太郎と早苗とのロマンスというサイド・ストーリーが、いいアクセントになっている。
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