「Georges Rouault ルオーの祈り: 絵画と版画展」 図録です。24.7×20.5cm 117ページ。町田市立国際版画美術館編・発行、ハードカバー。執筆:村田哲朗/田中淳一/杉野秀樹/高木幸枝。状態は、未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。
★内容: 2009年に町田市立国際版画美術館で開催された展覧会のカタログ。ジョルジュ・ルオーによる版画集『ミセレーレ』、『回想録』、『流れ星のサーカス』、『悪の華のために版刻された14図』、『受難』を中心とした版画作品(モノクロ、カラー)110点のほか、版画と深い関わりのある1940年代までの油彩画約20点などを収録。絵画と版画が一体となって繰り広げられたルオー芸術の本質に迫る。巻頭に概説4編を掲載する。
・ジョルジュ・ルオーと日本人との出会い 村田哲朗
・透視者ルオー 田中淳一
・繰り返されるテーマ
―― ルオーの描いた 「王」をめぐって 杉野秀樹
・版画と絵画のはざまに
―― ルオーとヴォラールの関係を中心に 高木幸枝
・カタログ / Catalogue
・版画技法解
・年譜
・主要参考文献
・出品作品リスト
20世紀最大の宗教画家と評されるジョルジュ・ルオー。敬虔なカトリック信者であった彼の作品は信仰に基づく独自の主題に貫かれ、人間の罪を見つめる鋭いまなざしと弱き者への憐れみの心、そして深い宗教観に基づく人間愛に満ち溢れている。ルオーの油彩画はその重厚な質感 (マチエール)でよく知られているが、それは版画においても同様である。戦争の罪深さをテーマにした『ミセレーレ』では、工夫を重ねた銅版画の技法により、重厚なマチエールを生み出すことに成功した。色彩表現では、専門の刷り師とともに銅版画による多色刷りを研究し、『流れ星のサーカス』や『受難』などに見られる、驚くほど深みのある色彩へと辿りついた。質感と色彩を深く追究することで、ルオーは油彩画のみならず版画においても際立った個性を見せている。深い信仰に基づく人間存在へのまなざしと内省、それを表現する技術を追求する姿勢、その両輪がルオーの芸術を支えている。(主催者)
★ジョルジュ・ルオー(Georges Rouault)は1871年、フランス・パリ生まれ。フォーヴィスムの画家に分類されることが多いが、ルオー本人は「画壇」や「流派」とは一線を画し、ひたすら自己の芸術を追求した孤高の画家であった。14歳からステンドグラス職人のもとで修業する傍ら、装飾美術学校に通う。19歳で画家を志し、国立美術学校に入学。ギュスターヴ・モローのもとで、アンリ・マティスらと共に学ぶ。一時は高い評価を受けるが、ローマ賞コンクールで2度落選し、またモローの死去などを経て、困窮と精神的苦痛の時期を過ごす。その後、師の遺言でモロー美術館の初代館長に就任。マティスらと「サロン・ドートンヌ」創設に尽力。この頃、ルオーの画題は「娼婦」「道化師」「裁判官」であり、不正義な社会の醜さや、そこで生きる人間の苦悩・悲哀といった内面世界に目を向けている。第1次大戦に際して、社会の負への憤りを描いた版画集『ミセレーレ』や『流れる星のサーカス』、『受難』などがよく知られている。その後は、油彩画に専念するに伴い、静寂と透明な輝きをたたえた作風となっていく。晩年は慈愛に満ちた女性像や、キリストと民衆が並んで立つ「聖書風景」などに心境の変化を見て取れる。1958年死去(享年86)。
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