「旅をするなら、秋は新潟から東北にかけて・・・・・」という固定観念が、某の頭の中には根強く存在しています。やはり、コメの収穫時期という事が大きいのかもしれません。
ところで、日本で一番コメが美味しくないのは高知県だと思うのですが、その「高知県のコメ」と「東北・北越のコメ」を食べ比べたら、どなたもが、天地の隔たりを感じると思います。なぜ、高知のコメが美味しくないのかというと、気候がとても温暖なので、一年間に、な、な、なんと、二回も米を作るからなのです(二期作)。「この、恵まれ過ぎた気候が逆に・・・・・」という事なんでしょう。一応、コメは実るんだけれども、養分(うまみ成分)が行き渡らないのではないかと思います。人間同様、土にも、リフレッシュの期間が必要なのです。
そんなわけで、大阪から新潟までの飛行機代が4000円で見つかったという事もあり、10月上旬に、関西国際空港から、新潟に飛び立ってしまったのです。1時間ちょいの空の旅です。新潟に到着すると、早速、昼下がりに、「とんかつの政(まさ)ちゃんの、ヘレカツ丼」で腹ごしらえをし、夜は、「小島屋の、へぎそば」に舌鼓・・・。大盛りを頼んでも、なぜか満腹にはならないので、夜食に、「小川屋のシャケ・ぎんだら弁当」をホテルの部屋で頂きました。その弁当には、冷めても美味しいと評判の「新之助」というコメが使われており、確かに、冷めているのに、見事に美味かった。高かったけれど・・・・・(笑)。
新潟に一泊した後、今度は、秋田(新潟―村上―鶴岡ー酒田―秋田の駅順)を目指して、とりあえず、各駅停車で鶴岡に向かったのですが、大雨の影響で、村上~間島の一駅分が通行不能になっており、JRの代替バスが運行するという事態に・・・・・。膝の痛い某は、バスが村上駅に到着するや否や、素早く乗り込み、一番前の左側の席をキープ。続く人たちは、奥へ奥へと進んで行きました。某の真横には、誰も横に座っていなかったのですが、「さあ、出発するぞ」という時間になった時、大きなスーツケースを引きづった東南アジア系の娘(金髪娘)がバスに乗ろうとしているのが、窓から見えました。さっき、駅のコンビニで目が合った「出稼ぎ金髪外人娘」です。スーツケースを下で預け、その娘は、バスに乗り込んできましたが、段を上がって全体を見渡したかと思うと、目を合わせて微笑み、某の真横に座ってきました。タイでよく見かける、「商売女が獲物を見つけた時の表情」です。
そして、しばらくすると、その娘は、たどたどしい日本語で、「このバスは、間島(まじま)駅に来ますか?」と変な日本語で尋ねるので、某は、親切に、「このバスは、間島駅に行きます」と、日本語の間違いを正した上で、答えてあげました。
「どこから来たの?フィリピンですか?」と聞くと、「プィリピン人じゃない・・・、日本人です」と、その娘は少し笑いながら嘘をつきました。ムッと来たので、某は、その言葉を無視して、「ああ、ベトナム人ですね?」と言うと、ビンゴだったのか、娘は、素直にうなづきました。ベトナムのハイフォンから来ているそうです。
「学生ですか?それとも、仕事ですか?」と尋ねると、娘は。「鶴岡で、4年間、マッサージの仕事をしている・・・」との事でした。金髪で、頭だけ見れば、スナックかラウンジで働く「夜の蝶」っぽかったけれども、爪が短かったので、本当にそうなんだろうと思いました。ただ、マッサージにも、二種類ございまして・・・・・、まあ、それはいいです(笑)。
「鶴岡は、どうですか?」と聞くと、「鶴岡はとても静か・・・、海も山も温泉もある。そして、綺麗・・・。すしや焼き肉が美味しい。ラーメンも・・・。それに、とても安い。プロウ(ぶどうのベトナムなまり)も、鶴岡なら800円で新鮮、東京なら1200円で少し古い・・・。だけど、冬は白だけ・・・。白しか見えない」との事でした。すしや焼き肉は一般的には安くない高級品なので、夜、特殊なマッサージ(あっ、ゆうてもうた・・・笑)でもして高額なチップをもらい、金回りがいいのかと思いきや、よく話を聞いてみると、娘が言う寿司とは、一個100円とか、120円の回転寿司の事でした(笑)。確かに安いです。でも、海辺の町なので、ネタは悪くないんでしょうねえ・・・・・。かなり美味しいんだと思います。
最後に、「日本で稼いだお金は、ベトナムの家族に仕送りしているのかい?」と尋ねると、「全部、自分の為に使っている・・・」との事でした。ここは、タイ人の娘たちと違うみたいです(笑)。長い間、フランスの植民地だっただけあって、フランス人並みに、エゴイズム(利己主義)が発達しているのかもしれません。
そうこうしている内に、電車が鶴岡に到着し、「じゃあね・・・」と言って、改札でバイバイしました。ベトナム人は、ちょろまかし精神があって、信用してはならない人種ですが、どことなく、可愛げがあって憎めない部分もあります。ただ、この娘は、バスで隣に座った時、手の甲で某のズボンのポケットを二度叩き、いわゆる。当たり行為(スリが、事前調査の為、よくやる行為)を行いました。やっぱり、油断はできないなあ・・・・・(笑)。恐るべし、ベトナム人。