監修 平山郁夫 小林忠
講談社
1994年
301ページ カラー・モノクロ
夫婦函入 布張上製本
約41x29x6cm
定価 38,000円
※絶版
海外の主要な美術館・博物館に秘蔵される、最高峰の日本の美術作品を
カラー・モノクロ写真で一堂に展観し、専門家の解説を付した
大型図録本・美術全集「秘蔵 日本美術大観」。
そのうちの第4巻。
本巻の収録作品は、ほとんどが「本邦初公開」。
大英図書館の「大職冠絵巻」、アシュモリアン美術館の「犬追物図屏風」、ヴィクトリア・アルバート博物館の「舟遊び図屏風」等、新発見の優品を中心に展開。
大英図書館、アシュモリアン美術館(オックスフォード大学所蔵品)、
ヴィクトリア&アルバート博物館所蔵の日本美術品を収録。
主要作品をカラー写真、ほかモノクロ写真図版で全図・部分図など多数掲載。各作品の詳細な図版解説、落款・印章の拡大写真もあわせて掲載。
絵巻・画帖・屏風等日本画作品が中心の構成で、一部漆器・蒔絵の硯箱や印籠など漆芸作品も含まれます。
作品名、作者・時代、所蔵番号、旧所蔵者・取扱い商など、入館年度の情報および論考テキスト「近世における伊勢物語絵 村重寧」「法橋元休研究ノート 榊原悟」「欧米所在の横山大観の作品について 佐藤道信」
など内容充実、画面が大きく細部までよく見ることのできる、大変貴重な大型図録本、資料本です。
【目次】
原色図版目録
大英図書館 原色図版10点・単色図版9点
アシュモリアン美術館 原色図版11点・単色図版 18点
ヴィクトリア・アルバート博物館 原色図版58点・単色図版 28点
近世における伊勢物語絵 村重寧
「法橋元休」研究ノート 榊原悟
欧米所在の横山大観の作品について 佐藤道信
作品リスト
【作品リスト】一部紹介 (作品名、作者・時代、所蔵番号、旧所蔵者・取扱い商など、入館年度 掲載)
●大英図書館
(原色図版)
伊勢物語図絵 無款 桃山時代
大職冠絵巻 「藤原行長」印 室町末期~桃山時代
天狗の内裏絵巻 無款 桃山時代
百合若大臣絵巻 無款 江戸時代前期
弁慶物語 無款 江戸時代前期
堀川夜討物晒 無款 江戸時代前期
源氏物語画帖 住吉如慶 寛文3~6年
卜養狂歌画帖 無款 延宝年間頃
草木花写真画帖 筆者不詳 文化~文政年間初め
韻勝梅譜模本 春田久啓原著・魚冠佼写 天保7年
(単色図版)
ぶんしょう 無款 江戸時代前期
義経記 無款 江戸時代前期
青葉 無款 江戸時代前期
鉢かつき 無款 江戸時代前期
いわや 無款 江戸時代中期
道成寺謡絵図 無款 江戸時代中期
三十六歌仙画帖 無款 江戸時代前期
日天像(霊山寺版) 江戸時代
月天像(霊山寺版) 江戸時代
●アシュモリアン美術館
(原色図版)
大職冠図屏風 山本元休 江戸時代前期
犬追物図屏風 無款 寛永年間頃
風流獅子踊り図屏風 無款 寛永年間
西湖図屏風 狩野常真宗信 江戸時代前期
四季花卉図屏風 無款(渡辺始興)江戸時代中期
四季花鳥図屏風 横山清暉 嘉永2年
山水図屏風 田能村直入 弘化2年
山水図 谷文晁 文化5年
湖上の雨 横山大観 大正15年
遊里図 無款 延宝~天和年間頃
春日大社参詣図 葛飾北斎 文政3年~天保5年
(単色図版)
三十六歌仙図屏風 無款 江戸時代前期
束海道名所配 無款 江戸時代中期
文読む美人図 墨川亭雪麿 江戸時代後期
徼山草画帖 森徹山 江戸時代後期
南礼画帖 南礼 江戸時代後期
鮎図 円山応瑞 江戸時代後期
桜花図 円山応瑞 江戸時代後期
萩図 山口素絢 江戸時代後期
瓢箪図 奥文鳴 江戸時代後期
亀図 八田古秀 江戸時代後期
菊花図 中村芳中 江戸時代後期
鹿図 森徼山 江戸時代後期
桃園三傑図 岸岱 江戸時代後期
三老図 河村文鳳 江戸時代後期
中国人物図 岡本豊彦 江戸時代後期
王羲之書扇図 谷文晁 江戸時代後期
盆踊り図 柴田義董 江戸時代後期
ふぐ図 廣渡巌斐 江戸時代後期
●ヴィクトリア&アルバート博物館
(原色図版)
<絵画>
南蛮屏風 無款 元和年間頃
宇治川合戦図屏風 無款 江戸時代前期
扇面流し図屏風 無款 江戸時代前期
葉鶏頭図屏風 無款 江戸時代前期
伯牙弾琴図屏風 無款 江戸時代前期
雪景山水図屏風 狩野洞雲益信 江戸時代前期
架鷹図屏風 不詳印 江戸時代後期
竹に虎図屏風 「宗丹」印 江戸時代中期
歌舞伎図屏風 無款 大和年間頃~元禄4年
舟遊び図屏風 無款 江戸時代中期
京名所絵 下鴨社 無款 江戸時代前期
京名所絵 上貿茂社 無款 江戸時代前期
京名所絵 上御霊社 無款 江戸時代前期
帝鑑図 無款 江戸時代前期
酒典童子絵巻 無款 江戸時代前期 酒呑童子絵巻
横笛草子 無款 江戸時代前期
秋草に鶉図 岸良 江戸時代後期
鷹図 西山芳園 江戸時代後期
絵手本帖 日根対山 江戸時代後期
群英譜 馬場大助 天保15年
川辺の芸妓図 蹄斎北馬 天保年間
海老図 葛飾北斎 文化年間頃
女風呂図下絵 歌川広重 嘉永年間頃
雲胝図 北鵞 天保年間~安政3年
花和尚魯智深図 葛飾北一 文政年間頃
白拍子図 河鍋暁斎 安政5年~明治3年
酒宴図 河鍋暁斎 安政5年~明治3年
蓮図 柴田是真 明治時代
走馬図 柴田是真 明治時代
鳥図 渡辺省亭 明治11年頃~34年
風景図 渡辺省亭 明治11年頃~34年
〈漆器〉
花鳥蒔絵螺鈿水盤 桃山時代
青海波螺鈿洋櫃 桃山時代
花鳥蒔絵螺鈿タンカード(ジョッキ) 江戸時代初期
源氏蒔絵文庫(マリア・ファン・ディーメンの箱) 江戸時代初期
山水楼閣人物蒔絵櫃(マザラン公爵家の櫃) 江戸時代初期
山水楼閣蒔絵装飾箱 江戸時代初期
人物像プラーク(ジョン・ロック) 江戸時代後期
九曜紋唐草蒔絵飯器 江戸時代中期
花鳥螺鈿箪笥 江戸時代後期
住吉蒔絵文台 室町時代
柳蒔絵手箱 桃山時代
菊桐紋蒔絵三宝 桃山時代
蓬莱漆絵瓶子 桃山時代
椿尾長鳥蒔絵旅櫛笥 江戸時代初期
花舟蒔絵十種香箱 江戸時代初期
鰐口形蒔絵硯箱 小川破笠 延享3年
海幸蒔絵象嵌料紙硯箱 小川破笠 江戸時代中期
菊堆錦木画硯箱 江戸時代中期
忍草蒔絵硯箱 江戸時代中期
忍恋蒔絵硯箱 山本春正 江戸時代中期
蛍狩蒔絵硯箱 江戸時代中期
寒山・拾得蒔絵硯箱 塩見政誠 江戸時代後期
卓蒔絵硯箱 江戸時代後期
蔦の細道蒔絵十種香箱 江戸時代後期
稲刈蒔絵行厨 「古満休伯」銘 江戸時代後期
月次蒔絵印籠 柴田是真 慶応元年
(単色図版)
鵯越の図 狩野休真 江戸時代後期
山水図 狩野春貞房信 江戸時代後期
四季風景図巻 狩野宗益景信 江戸時代後期
花子のひめ絵巻 「土佐光起」印(後捺)江戸時代前期
蝦夷風俗図巻 無款 江戸時代後期
風流東都方角 柳嶌法性寺妙見堂の図春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 吉原 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 隅田川木母寺の図 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 貴船明神社 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 神田明神 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 目黒不動 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
風流東都方角 根津権現の図 春朗(葛飾北斎)天明年間中期頃
画稿 葛飾北斎 江戸時代後期
初代市川鰕十郎 春好斎北洲 文政年間初め
くつろぐ美人 魚屋北渓 文化~文政年間初め
対禿図 蹄斎北馬 文化~天保年間
『絵本手引草』初編草稿 歌川広重 嘉永2年
巫女図 歌川芳虎 江戸時代後期~明治時代
裁縫図 歌川芳虎 江戸時代後期~明治時代
花鳥絵本下絵 森川曽文 明治時代
戯画 河鍋暁斎 慶応4年
戯画 河鍋暁斎 慶応4年
牡丹図 蕙斎忠信 幕末~明治時代
梅花図 柴田是真 明治時代
勢至菩薩像 南北朝~室町時代
【テキストより一部紹介】
大英図書館の日本コレクションの歴史と特色 ユーイン・ブラウン 大英図書館日本コレクション主任研究員
大英図書館の日本コレクションが本格的な美術書のシリーズに収められるのは、おそらく今回が初めてであろう。しかし本巻に収められたものは、規模も小さく派手なものではないかもしれない。それは、本シリーズの中心となる絵巻や画帖に関しては、ほとんどが当館の姉妹館である大英博物館の日本部に収蔵されているためである。当館の日本コレクションの特色は、むしろ日本印刷史にとって貴重な作品群にある。(以下略)
オックスフォード大学所蔵の日本美術品 オリヴァー・イムピー アシュモリアン美術館東洋部次長
アシュモリアン美術館は、オックスフォード大学が所有する美術品および出土品を収容している・イライアス・アシュモールから寄贈された収集品をもとに創設され、一六八三年に一般公開を始めた当館は、一八五四年に現在の建物に移った・当館のキュレーターたちは、研究や学芸員としての職務とともに、オックスフォード大学における教育活動にも積極的に取り組んでいる。当館の四つの部門のうちでもっとも新しい東洋美術部は、旧美術部(現在の西洋美術部)と短命に終わった東洋美術館の収集品を吸収して一九六一年に設置された。(以下略)
ヴィクトリア・アルバート博物館の日本美術コレクション
アンナ・ジャクソン ジュリア・ハット ヴィクトリア・アルバート博物館東洋部
ヴィクトリア&アルバート博物館は、一八五二年、前年に開催されたロンドン万国博覧会の利益により設立された。当館の最初の所蔵品の一部は日本の美術品であり、以後十九世紀末まで日本美術は当館において主要な位置を占めた。ジャポニスム全盛期の一八七四年から九三年まで館長を務めたフィリップ・カンリィフ=オーウェンの熱意も、当館の日本美術所蔵品の拡充を促した重要な要因であった。形成期に当館が取得した日本美術品は、日本美術に対する英国の意匠家や製造者、そして大衆の関心を高めるうえで大きな役割を果たした。十九世紀に当館が集めた所蔵品の大半は、博覧会や当時パリやロンドンで増えていた日本美術専門ディーラーを介して入手した当時の実用工芸品である。
十九世紀末までには歴史的視点を重んじる収集方針が確立され、当館は次第に江戸時代の装飾美術品の一大宝庫となっていったが、これを可能にしたのは、収集品をおしみなく当館に寄贈あるいは遺贈した英国人収集家たちであった。今世紀に入ると所蔵品の個別分野を得意とする専門学芸員が現れた。(以下略)
●執筆者紹介(敬称略)
今橋理子
昭和三十九年、東京都に生まれる。
学習院大学大学院博士後期課程満期退了。
現在、日本学術振興会特別研究員。
杉野学園女子短期大学非常勤講師。
論文「小田野直武写生帖の意味」(美術史128号)、「宋紫石試論」(国華一一四一号)、「鴨場の風景-狩野養信筆『鷹狩図屏風』と紀州徳川家旧蔵『赤坂御庭画帖』」
(日本の美学19号)ほか。
大久保純一
昭和三十四年、徳島県に生まれる。
東京大学文学部美術史学科卒業
現在、東京国立博物館絵画室勤務。
論文「『役者似顔画早稽古』とその周辺」(名古屋大学美学美術史研究論集5号)、「歌川豊国の美人画について」(ミュージアム447号)ほか。
河合正朝
昭和十六年、東京都に生まれる。
慶應義塾大学大学院文学研究科修了。
現在、慶應義塾大学文学部教授。
著書『友松・等顔』(日本美術絵画全集11・集英社)、『桃山の障屏画』(日本美術全集17・学習研究社)、『禅林画讃』(毎日新聞社)ほか。
河野元昭
昭和十八年、東京都に生まれる。
東京大学文学部美術史学科卒業。
現在、東京大学教授。
著書『尾形光琳』(日本美術絵画全集17・集英社)、『近世風俗図譜5 四条河原』(小学館)、『春信』(浮世絵八華1・平凡社)、『日本屏風絵集成』(講談社)ほか。
小林忠
昭和十六年、東京都に生まれる。
東京大学文学部美術史学科卒業。
現在、学習院大学教授。
著書『春信』(東洋美術選書)、「江戸の美人画」(学研版日本美術全集)、『江戸絵画史論』(瑠璃書房)、『墨絵の譜』(ぺりかん社)
ほか。
榊原悟
昭和二十三年、愛知県に生まれる。
早稲田大学大学院文学研究科修了。
現在、サントリー美術館主席学芸員。
論文「放屁譚三題」(サントリー美術館論集二号)、「一変狩野氏-江戸初期狩野派をめぐってI」(古美術96号)、「住吉派『源氏絵』解題」(サントリー美術館論集三号)。
佐藤道信
昭和三十一年、秋田県に生まれる。
東北大学文学部大学院修士課程修了。
現在、東京国立文化財研究所研究員。
論文「水墨の変容」(美術研究344・345号)、「フェノロサとジャポニスム」(ロータス10)ほか。
田沢裕賀
昭和三十五年、青森県に生まれる。
東北大学大学院文学研究科修了。
現在、三井文庫学芸員。
論文「瑞巌寺蔵「洋犬図絵馬」をめぐつてI 江戸初期の長谷川派と関連してI」(瑞巌寺研究年報11)ほか。
灰野昭郎
昭和十七年、新潟県に生まれる。
早稲田大学文学部美術史専修卒業。
現在、京都国立博物館学芸課普及室長。
著書『日本の美術 近世の漆芸』『日本の美術 婚礼道具』(共に至文堂)ほか。
村重寧
昭和十二年、東京都に生まれる。
早稲田大学大学院美術史学科修了。
現在、東京国立博物館企画課長。
著書『日本屏風絵集成9 四季景物』(講談社)、「宗達」(三彩社)、『日本の美術 信貴山縁起と粉河寺縁起』(至文堂)ほか。
Yu-Ying Brown
(ユーイン・ブラウン)
大英図書館日本コレクション主任研究員
Oliver Impey
(オリヴァー・イムピー)
アシュモリアン美術館東洋部次長
Anna Jackson
(アンナ・ジャクソン)
ヴィクトリア・アルバート博物館東洋部
Julia Hutt
(ジュリア・ハット)
ヴィクトリア・アルバート博物館東洋部