原型製作:海洋堂
ワールドタンクミュージアムは、フタに封がしてないので、開封して砲塔を乗っけて写真を撮って元に戻しました。
外箱とリーフレットもあります。
箱にもリーフレットにも『自走対空砲』と書いてありますが、普通、自走高射機関砲と呼ばれてる対空車輛です。愛称はガンタンク(似てるかなあ?)。
◆趣味の87式自走高射機関砲
和製ゲパルト。
第2次世界大戦では、ドイツのJu87スツーカや、ソ連のシュトルモビックが大活躍しましたが、戦車は真上からの攻撃に弱いのです。なので対人・対空兼用の機関砲を装備するのですが、朝鮮戦争の頃には飛行機がジェット化しており、人が機関砲を射っても、敵が速すぎて当たらないとゆー・・・。
そこで、索敵レーダーを搭載して、敵機を見つけたら、自動追尾レーダーと機関砲をコンピューターで制御・連動させて、敵機を撃墜するゲパルト対空戦車が作られました。
戦車部隊についていって、敵機が来たら迎撃するのが任務。
一通りの装備を持ってる陸上自衛隊でもゲパルトを参考に、自走式の高射機関砲を開発。1987年に採用されます。
エリコン社製の35mm機関砲を砲塔の左右に2門備えた、ゲパルトコピー。ただし、索敵レーダーと自動追尾レーダーの配置はゲパルトが特許を持ってる為、レーダーの場所がゲパルトと違います(ゲパルトは砲塔の前部。87式は砲塔の後部)。
74式戦車の車体を使っており、74式戦車同様、車体の姿勢を制御出来るので、機関砲で地上掃射可能(35mm機関砲なので凄まじい威力を発揮すると思う)。
74式戦車と同じように走行中の射撃も可能。
射程距離は約3500m。発射速度は毎分550発。
でも対戦車ヘリコプターが開発され、射程が長くて命中精度の高い空対地ミサイル(射程5000~6000m)が開発された為、1輌15億円もするのに、ほぼ無用の長物に。
なぜならば、海上自衛隊の護衛艦が搭載してるCIWSと違い、87式自走高射機関砲にはミサイルの迎撃能力が無いから。
ジェット機や攻撃ヘリと戦えば87式の射程外からミサイルを射たれて終わるとゆー。
90式戦車が1輌8億円なので、87式自走高射機関砲を1台作る予算で90式戦車を2輌作れるとゆー。最新鋭の10式戦車でも7億円なのに、戦車を護衛する車輛が戦車よりも高いという本末転倒さ!
なので、52輌作られた時点で生産打ち切りになりました(それでも780億円か、壮大な無駄遣いだなあ~)。
自衛隊の総合訓練では、地上の動かない目標を掃射し、凄さをアピールしてますが、地上目標に対しては対空索敵レーダーも自動追尾レーダーも役に立たず、目視で射ってるはずなので、それはもはや単なる機関砲なのだよなあ・・・。
と、いうか、この車輛が活躍する時には、日本が制空権を失い、敵機が我が物顔で日本本土上空を飛び回ってる状況なので、その時には航空自衛隊が壊滅してますな。
何か、活躍の場が全然無いよーな気が・・・。
と、思われていたのですが、ドイツが退役済みのゲパルト対空戦車をウクライナに供与(不用品を押し付けたっぽい)。これが予想に反してロシアの自爆ドローンを撃ち落としまくります。
特に自爆ドローンによってアメリカから供与されたエイブラムス戦車が破壊され、ドローン攻撃による戦車の被害が大きくなって来てますが、ゲパルトが毎分550発の35mm機関砲の弾幕により、ドローンを撃破しまくり大活躍中。
同じ設計思想で作られてる87式自走高射機関砲も、ドローン対策としては有効なんじゃないかと。世の中どう転ぶか分からない物である。
縮尺は1/144で、全長:約5cm。
車体や砲塔のモールドは細かく、出来は大変良いです。
あと、砲塔は旋回可能、砲身も上下に可動(※砲身は左右連動)
ワールドタンクミュージアムは海洋堂製なので、出来はかなり良いです。
組立は、砲塔を差し込むだけ。
写真の1枚目は、斜めから。
写真の2枚目は、ブリスターと箱とリーフレット。
写真の3枚目は、リーフレット。