自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙や帯など若干の経年変化はございます。画像にもありますように、保管時の悪さから帯にヨレ、本体下部に2ページほど小さな折り目がございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄
80年代、90年代、低迷する日本映画界で一人気を吐いたスタープロデューサー、奥山和由。
名監督、名優たちとの秘話を語り下ろす!
80年代~90年代、低迷していた日本映画界にひとりのスタープロデューサーが登場した。奥山和由だ。
若くして『丑三つの村』や『海燕ジョーの奇跡』など破滅的な男の姿を描いた衝撃作で鮮烈に登場すると、一転、
のちにハリウッドでリメイクされる『ハチ公物語』というハートウォーミングな大ヒット作を飛ばす。
その後も快進撃は続き、五社英雄監督と組んだ大作『226』、ビートたけしを監督に抜擢した『その男、凶暴につき』、
竹中直人の初監督作『無能の人』、監督と対立し、自らもメガホンをとった『RAMPO』、
佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平が共演した男くさいバイオレンスアクション『GONIN』、
今村昌平に2度目のカンヌグランプリをもたらした『うなぎ』など話題作、ヒット作を飛ばし続けた。
35歳で松竹の取締役になるなどわが世の春を謳歌するが、突然のクーデターで松竹を追われ……と
波乱万丈、毀誉褒貶相半ばの映画人生を送る奥山が自らの作品のすべてを語る。
信じられないトラブルの数々、名監督との作品制作裏話、俳優たちの秘話などを語り下ろす。
聴き手は『あかんやつら』『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』の春日太一。
人並外れた熱量を武器に映画界をのし上がり、90年代の邦画をたったひとりで盛り上げ、
日本に映画プロデューサーという職業を認知させた男の最初で最後の語りおろし一代記。
第1章「夜ごと飛ぶ夢を見る」――映画戦線への参入
第2章「皆様方よ、今に見ておれで御座居ますよ」――狂気の現場
第3章「ありがとう、こんなに愛いっぱい」――一躍、ヒットメーカーに
第4章「ハートブレイクヤクザ」――既存の映画製作への疑問
第5章「これっきりになるような気がします」――滅びの美学
第6章「たけしさん、暴力って何ですか?」――映画監督・北野武との邂逅
第7章「キレたら止まらない」――時代の寵児へ
第8章「夜の夢こそまこと」――『RAMPO』を巡る狂騒劇
第9章「暴力と熱情」――人生を変えた男・深作欣二とのすべて
第10章「片想いの街、ニューヨーク」―ロバート・デ・ニーロとの共同製作の夢
第11章「闇にひらめく」――パルム・ドールとシネマジャパネスク
第12章 追放――ある男の告白
第13章「いつかギラギラする日」――復帰、そしてこれからを語る
レビューより
映画好きとして、本当に聴きたいのはこういう話なんですよね!それに時代を駆け抜けた最前線のプロデューサーの実体験!面白すぎる!
ただただ面白い。ヒリヒリする。映画人としてだけでなく、ビジネスマンとしてのこだわりと覚悟、生き様としても面白い。そして、切ない。
読むまでは奥山氏にあまり良い印象がなかったけれど、単なるボンボンじゃなく幾多の障害、軋轢と戦った人だったことを知った。失礼しました。
「寅さん」興行に胡座をかいていた松竹の中でほぼ孤軍奮闘した数々のエピソードはリアルタイムを知っている者からすると「へぇ、あの時はそんな裏があったのか」と目から鱗のことが多く書かれている。力作でしょう。