SELMER OMEGA、セルマー・オメガ、初期の822XXX番、セルマーUSAのオメガ。
さすがに日本国内で82万番台のオメガはなかなか見つかりません。
塗装はオリジナルのままで、渋く、リラッカーしていないので、心地良く管体が共鳴します。
オメガはスイートな音や枯れた音まで奏でられるレンジの広いサックスです。40年くらい前の楽器ですが、オメガらしいスイートな音を鳴らすことができる人にお譲りしたいです。
購入時の、ダクの保証書付いてます。
このアメセル、オリジナルオメガは、ジャズやフュージョン向けに特化させて生産された最後のアメリカ製プロ仕様サックスで1982年~1987年まで製造されていたSelmer USA社の 164(テナー)です。(Original OMEGAと呼ばれるこのモデルのシリアルナンバーは820000~8246xxです。
オメガは、ダークサウンドでパワーのあるもので、芯のある力強さがありキー操作のフィット感は数あるサックスの中でもトップクラスです。
当時の音楽シーンでMk6やMk7ではもの足りなくなった部分、SA80では方向性が違うという事でSelmerUSAが求める楽器として設計・製造されたもので、アメリカンサックスの最後の進化系と言えます。
80年代、SelmerUSAではHセルマーの機種と同格のプロモデルを SelmerUSAで開発・販売を始めました。
結局H.Selmerの楽器を改造的に作る(所謂アメセル)のでは安定性の欠落や限界があるので、この日本で一般にアメセルと呼ばれている物を作るのを止め、一からアメセルの様な制約に縛られないプロをターゲットにしたサックスを設計したわけです。
(この時代SelmerUSAに居たサックスを設計できる人は元Buescherで最後に400TopHat&Caneを設計した人達だといわれます)
そのサックスが 164(テナー 1984年から販売) というモデルでSelmerUSAではこれをプロモデルとして通称 OMEGA と名付けました(但しこれはメーカーの正式なモデル名としてOMEGAと呼んでいたのではなく、愛称の様なものです)。
オメガは”アメセル”などというブランド名を名乗らずともとても良い楽器です。
当初の164をオリジナルオメガとし、この頃は年間の生産数が数百本という少数生産をBundy-II等のラインの傍らで行っていた様です。
1984年から販売される事となる164テナーはやはり最初期のナンバーが8215xxからとなっています。
このオメガと呼ばれたモデルのシリアルナンバーは820xxx~824xxx(後半)で1982~1987年頃まで約2000本程限定で製造されました (SelmerUSAの1986~87年のカタログにはまだ164のモデル名でプロモデルとして掲載)。
テナーの164は最初期~中期まではシンプルなライン彫刻があるだけでしたが、中~後期(8231xx前後)頃から一部の範囲で少数アメセルで行われていた様な花の彫刻が入ります。
164のオリジナルオメガには共通の彫刻がされています。
この後にコストダウンしたミドルクラスのモデルとしてAS100/TS100というモデルに変更され90年近くまで製造されました(彫刻はMk6等にあやかる為のアメセルをコピーした感じのものになります)。
823xxx後半~825xxx前半の間はグレーゾーンで、作りの上では164とTS100とが混在しています。モデルとしては特に8246xx~はAS /TSになっています。
AS/TSモデルになるとメカニズムの一部で簡略化やキー・キーポストに設計変更があり、823xxx~になると作りが雑になってきます。
実際の物をみると、オリジナルオメガである164でも、後期824xxx(後半)辺りから、作りが雑になってきます。本来不良パーツとして除外される様な状態のものでも製品に組み込まれていたりキーポスト類・キー類の位置が雑だったり。
最近は82x~83xの全てをオメガと呼ぶ風潮が生まれてきてしまった為、初期の頃の820~823前半辺りをオリジナルオメガ (Original Omega)と呼びます。
ローズゴールドラッカーが164シリーズで、オメガである164はしっかりしたブラス製です。
状態については、オーバーホール済み。
サビは無く、メッキについては残10%くらいで、個人的に見て、いい感じです。