綺麗に読んでいます★
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定価492円を、63%OFFの180円で★
ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。
商品説明
東京で暮らす若者たちの、さまざまな「日曜日」の情景を切り取った連作短編集。著者の吉田修一は、同居する5人の男女の生活を淡々とつづった『パレード』で第15回山本周五郎賞を受賞。また、日比谷公園を舞台に、偶然出会った女性との奇妙な関係を描いた
『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞した。現代の若者の姿を、抑えた筆致で、さりげなく、かつ、リアルにとらえる作風に定評がある。本書もまた、若い世代独特のやるせなさや焦燥感を浮き彫りにした5編が並んでいる。
30歳になる無職の男が、日曜日ごとに部屋を訪れていた恋人のことを思い出す「日曜日のエレベーター」。泥棒に侵入されたという友人の話を聞いた独り暮らしの女性が、まるで自分の身に降りかかったことのように恐怖を感じ始める「日曜日の被害者」。恋人の暴力に耐えかねたOLが、やがて自立支援センターに足を運ぶまでを描いた「日曜日たち」。都会で倦(う)み疲れた主人公たちの物語には、共通した気だるさが漂っている。そんな主人公たちの人生が、少しだけ重なりあい、交差していく。
その楔(くさび)となっているのが、彼らの過去に必ず登場するミステリアスな幼い兄弟である。「日曜日の新郎たち」の健吾は、家出してきた兄弟に寿司をおごってやり、「日曜日の運勢」の田端は、母親の住むアパートまで兄弟を送り届ける。兄弟とのささやかなふれあいが積み重なることで、閉塞した日常に、ほんのりと希望の光が差し込む。5編すべてを読み終えた後には、大切な人の死や、理不尽な暴力を受け入れながらも、「嫌なことばっかりだったわけではない」と言い切ることのできる、前向きでタフな若者たちが姿を現しているのである。(中島正敏)
内容(「BOOK」データベースより)
きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れられない。ありふれていて特別な、それぞれの日曜日―。東京ひとり暮らしの男女5人、それぞれの物語に同時代の「生=リアル」を映す、長篇最高傑作。
内容(「MARC」データベースより)
きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れられない。ありふれていて特別な、それぞれの日曜日-。「東京」の地図の上で交差する、男と女の5ストーリーズ。連作長篇小説。『小説現代』掲載を単行本化。
著者について
吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。'96年「Water」が文學界新人賞最終候補となる。'97年「最後の息子」で文學界新人賞受賞。同作は第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞受賞、同年、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞。他の著書に『熱帯魚』『東京湾景』『長崎乱楽坂』『ランドマーク』『春、バーニーズで』『7月24日通り』『ひなた』などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/修一
1968年、長崎生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年、『最後の息子』で第八四回文学界新人賞を受賞しデビュー。2002年、『パレード』で第一五回山本周五郎賞、同年、『パーク・ライフ』で第一二七回芥川賞を受賞。現在、最も注目されている新鋭作家である