川端康成「古都」限定350部版完品 題簽:川端康成 造本木版挿繪:東山魁夷 牧羊社 昭和48年 牧羊社刊

【特徴】 川端康成の名作「古都」限定350部の内No.65の豪華本です。(『松山装』)

本出品は、限定700部版(『紅葉装』)より更に流通が少ない、350部限定版(『松山装』)となります。
本冊表紙は、東山魁夷による松山の絵を、多色コロタイプ印刷により造本したものです。

東山魁夷による造本と木版画・挿繪、外箱・特製布帙・桐箱・袱紗・本冊のパラフィルムが完揃いの極美本と言って良い完品です。

限定350部版の本冊では、東山魁夷の十五度刷木版画一枚が巻頭を飾ります。
他に、京都の四季を描いた東山魁夷の多色コロタイプ口繪が四葉、物語を彩っております。
(春:「祇園夜桜」夏:「あだし野」秋:「紅葉」冬:「北山杉」の四葉)

更に、本冊の用紙は岩野市兵衛手漉越前奉書が使用されており、印刷は精興社による贅沢なものとなっています。

印刷:精興社 本文12ポ正字使用 240頁 2色刷/表紙・挿繪 多色コロタイプ印刷
判型:29.5cm×24.5cm

コンディションは書込み、蔵書印なども無い美本です。
(小口にのみ2箇所小シミがございます)

【あらすじ】
『古都』は川端康成の長編小説。
ノーベル文学賞の受賞作品でもございます。

古都・京都を舞台に、生き別れになった双子の姉妹の数奇な運命を描いた川端の代表作の一つ。

老舗呉服商の一人娘として育った捨て子の娘が、北山杉の村で見かけた自分の分身のような村娘と祇園祭の夜に偶然出逢う物語で、互いに心を通わせながらも同じ屋根の下で暮らせない双子の娘の健気な姿が、四季折々の美しい風景や京都の伝統を背景に、切なく可憐に描かれる。

川端康成や東山魁夷の愛好家に、是非おすすめしたい豪華本です。

★追記:東山魁夷が京都を描いた画集『京洛四季』の序文に、川端康成は以下の文章を執筆しております。

『京都は今描いといていただかないとなくなります、京都のあるうちに描いておいて下さい、と私は数年前しきりと東山さんに言つたものである。
その私のねがひが、東山さんの「京洛四季」のみごとな連作に、いささかの促しとなつたのは、私の幸ひ、よろこび、言葉につくせない。
はじめてそれを東山さんに言つたころ、私は今日の町を歩きながら、山が見えない、山が見えない、とわれにもなくつぶやきつづけてかなしんでゐたものだ。
今はもう山の見えぬ京の町にも慣れた。
しかし、都のすがたしばしとどめんとは、今日もなほねがふ。』


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（2024年 11月 11日 20時 42分 追加）



（2024年 11月 11日 20時 54分 追加）
★★★セットで『川端康成と東山魁夷 響きあう美の世界』求龍堂 2006年出版、帯付を特典で無料でお付けします。★★★

【内容】
美術品のコレクターであった川端が日本の美を語り、川端の本の多くを装丁した東山は、そんな川端を尊敬して止まない。
何十通にも及ぶ書簡からは、すでに大家であった二人の素顔がのぞく。

＜目次＞
第一章 書簡と書簡中で語られた川端康成所蔵の国宝や東山魁夷の作品を紹介。
第二章 川端康成が評した東山魁夷の風景画を紹介。
第三章 川端康成の知られざる美術コレクションを紹介。