ダラ・ヴァレ・ヴィンヤーズは、イタリア人実業家のグスタフ・ダラ・ヴァレ氏が1986年にナパ・ヴァレー オークヴィルに設立した家族経営の小さなワイナリーです。 1995年にグスタフさんが亡くなって以降は、妻のナオコさんが献身的にこのワイナリーを支えています(兵庫県出身のナオコさんは、カリフォルニアワインの様々な事業に貢献し、この地で最も有名な日本人と言われています)。
オーナー夫妻の熱意に施されてワインメーカーとして加わったのが、パーカー氏に「ワイン界のファースト・レディ」、タイムス誌からは「ワインの女神」と呼ばれるハイジ・バレット女史であり(その後、トニーソーター氏、アンディ・エリクソン氏に引き継がれています)、コンサルタントとして迎えられたのがフランスのカリスマ醸造家ミッシェル・ローラン氏です。オーナー夫妻の唱える革新的ワイン造りに、名醸造家と素晴らしいテロワールが結び付いて生まれたカリフォルニア最高のワインがフラッグシップの『マヤ』です。
オーナー夫妻の娘さんの名前から命名された『マヤ』は1988年にリリースされ、わずか4年後の1992年に、米国産ワインとして初のパーカーポイント100点満点を獲得し、一躍世界でその名が知られるようになりました。この為、出品のカベルネ・ソーヴィニヨンはマヤに比べると格下に思われがちですが、(マヤとの違いはセパージュのみ。マヤに比べてソービニヨンが多く、フランが少ない。)Wine Advocate誌で最高98点を付けるなど、決して評価が低いわけではありません。それどころか、今の点数は過小評価されている可能性もあります。例えば2002年のカベルネ・ソーヴィニョンはパーカー氏が2005年に92点と評価しましたが、2012年に97点と大幅に上方修正して「7年前の点数はひどく過小評価したものだった」と反省しています。そして再評価での飲み頃は2017年~2042年。恐るべき長熟型です。出品の1997VTも、まだまだ若いかもしれません。
ダラ・ヴァレの Winemaker Notes によれば 「1997 カベルネは、複雑で気絶する程すばらしい。よく熟したサクランボ、なめし皮、糖蜜、キャラメル等の風味が幾層にもなって押し寄せ、グラスから溢れだす。若くて暴れん坊のようなワインだが、口に含むと美しく凝縮した風味と豊かな調和のとれたタンニンが心地よい。この先、何年も楽しめる完璧に近いワインになる予兆を感じる。」
パーカー氏は出品の1997年VTに対して、次のコメントと共に93点を与えています。
「グラスの底が見えない程濃い紫色をしていて、ミネラルをふくんだクロスグリ、スパイスを彷彿とさせる香りにオーク樽の混じる華やかな香りに満たされる。フルボディでタンニン豊かな力強い、ひきしまったワインだ。今(2000年12月)、飲めないことは無いが、2~4年はセラーで寝かせたい。その後、20~25年は美味しく飲むことが出来るだろう。」
1997VTのセパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン85%、カベルネ・フラン15%です。
現在、地下室に設置してあるドメテック ワインセラー Silent Cave にて保管しております。