『危険な関係』(きけんなかんけい、英: Dangerous Liaisons)は、1988年のアメリカ映画。ラクロの同名小説の映画化作品。
1988年のアカデミー賞で脚色賞、衣裳デザイン賞、美術賞の3部門を受賞した。
ストーリー
革命近い18世紀パリ。メルトイユ侯爵夫人は、ゲーム感覚で秘密の恋を楽しむ未亡人だった。自分を捨てた愛人のバスティード伯爵が18才のセシルと結婚すると知り、復讐の計画を練るメルトイユ侯爵夫人。プレイボーイのバルモン子爵にセシルの処女を奪わせ、バスティード伯爵を笑い者にしようというのだ。
バルモン子爵も、かつてはメルトイユ侯爵夫人と愛し合った仲だった。小娘を引っ掛ける簡単な仕事などプレイボーイの名が廃ると断るバルモン子爵。今の子爵は、貞淑で名高いトゥールベル夫人を手に入れることに夢中なのだ。しかし、トゥールベル夫人はセシルの母であるボランジュ夫人から、子爵の悪い噂を聞かされ用心していた。
邪魔をされた子爵は腹を立て、計略を練ってセシルを妊娠させ、トゥールベル夫人をも手に入れた。一方、メルトイユ侯爵夫人は、セシルの初恋の相手である世間知らずな若者ダンスニーを篭絡し、新しい恋人にしていた。
バルモン子爵とトゥールベル夫人の仲が、実は真実の恋愛だと気づく侯爵夫人。心の底でまだ子爵を愛している侯爵夫人は、嫉妬に駆られて子爵を挑発した。自分が恋に支配されていると指摘された子爵は、プレイボーイのプライドゆえにトゥールベル夫人に別れを告げた。傷心のあまり死病を患うトゥールベル夫人。
初恋のセシルが蹂躙されたことを知った若者ダンスニーは、バルモン子爵に決闘を申し込み、致命傷を負わせた。バルモン子爵は死に際にトゥールベル夫人への謝罪を言付け、侯爵夫人の悪巧みを暴露した。
メルトイユ侯爵夫人は、社交界の名声と愛するバルモン子爵の両方を失ったのだった。
危険な関係
Dangerous Liaisons
監督 スティーヴン・フリアーズ
脚本 クリストファー・ハンプトン
原作 ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ
製作 ノーマ・ヘイマン
ハンク・ムーンジーン
出演者 グレン・クローズ
ジョン・マルコヴィッチ
ミシェル・ファイファー
音楽 ジョージ・フェントン
撮影 フィリップ・ルースロ
編集 ミック・オーズリー
配給 ワーナー・ブラザース
キャスト
※括弧内は日本語吹替
メルトゥイユ侯爵夫人 - グレン・クローズ(田島令子)
ヴァルモン子爵 - ジョン・マルコヴィッチ(津嘉山正種)[2]
トゥールベル夫人 - ミシェル・ファイファー(島本須美)
セシル - ユマ・サーマン(牧本千幸)
ダンスニー - キアヌ・リーブス(島田敏)
ボランジュ夫人 - スージー・カーツ(沢田敏子)
ロズモンド夫人 - ミルドレッド・ナトウィック(京田尚子)
アゾラン - ピーター・カパルディ(曽我部和恭)
エミリー - ローラ・ベンソン
ジュリー - ヴァレリー・ゴーガン
脚注
^ “Dangerous Liaisons (1988)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月15日閲覧。
^ テリー・イーグルトン『アメリカ的、イギリス的』河出書房新社、2014年、110頁。ISBN 978-4-309-62471-6。
関連映画作品
全て原作は『危険な関係』
危険な関係 (1959年の映画)
スキャンダル (2003年の映画)
クルーエル・インテンションズ
恋の掟