・書籍名(英名) : The Cactus File Handbook ③ ADROMISCHUS
・著者名 : John Pilbeam, Chris Rodgerson and Derek Tribble
・出版社:Cirio Publishing Service Ltd.
・発行年:1998年
・形式 : 洋書(英語)、変則判(170×240mm)、103ページ、ソフトカバー
表紙カバー左下の扉根元に小さな破れあり。全体に弱い変色があり、内部見開きにシール跡と文字書き込みあり(写真参照)。使用には問題ありませんが、やや安めに出品します。
<書籍説明>
本書は1998年に発刊したアドロミスクス属の全種図鑑となります。The Cactus File Handbookシリーズの3巻目にあたります。やや小振りなサイズの書籍ではありますが、1998年当時のアドロミスクス属の全種について収録しており、全種への検索表、各種の生態写真や栽培株、シノニムリスト、分布、生育環境、栽培方法、当時知られていたメジャーなフィールドナンバー(種名、産地名)、園芸品種等について収録しており、コンパクトながら情報量が非常に多く、本属を網羅的に理解する良書だと思います。
著者はイギリスのサボテン・多肉植物園芸界の偉人John Pilbeam(ジョン・ピルビーム)と共著者2名となります。J. Pilbeamはアマチュアながら、ありとあらゆるサボテン・多肉植物を大量に栽培しており、また現地でのレポートも大量に刊行している多肉園芸界の鉄人とも呼べる人物です。既に90歳を越え、かなりの御高齢ですが、近年も筆は衰えておらず、相変わらずの仕事量には脱帽です。
アドロミスクス属は国内では比較的ビギナー向けの印象が強く、良く寄せ植え等に使われ、昨今の多肉植物ブームの中では、そこまで珍重される状況ではありません。おそらく成長が早めで、葉挿しや株分けで増やせることから価格が安いのが要因かと思われます。一方で、何気に正確な種名を当たろうとすると、案外と種間の違いについて捉えるのが難しく、一部の種しか収録していない国内文献では特定の難しい種が結構出てきます。
なお、本シリーズは出版部数が少なく、また昨今の多肉植物人気も相まって入手難の1冊となっており、海外でもあまり見当たりませんが、本属に注目した文献はあまりないので、お勧めの一冊となります。