江戸時代に刷られた木版「古今和歌集」春の歌(上)の和歌を出品いたします。
<年代について>
刷られた時期の詳細は不明ですが、1800年以前です。同じ古今和歌集が
国立国会図書館のホームページに掲載されております。
<旧所蔵者について>
旧所蔵者は、仙台藩伊達家と仙台藩医師・大槻玄沢です。
<旧蔵者・大槻玄沢について>
宝暦7年9月28日生まれ。一関藩医・建部清庵に医学を、江戸で杉田玄白、前野良沢に蘭学をまなぶ。長崎に遊学後、天明6年江戸で仙台藩医となり、京橋に日本最初の蘭学塾「芝蘭堂(しらんどう)」をひらく。文政10年3月30日死去。71歳。名は茂質。字(あざな)は子煥。号は磐水、半酔半醒。著作に「重訂解体新書」「蘭学階梯(かいてい)」など。
<出品した木版古今和歌集の状態について>
経年による虫食い・焼け・黒ずみがございます。
A4サイズの厚紙に貼付されております。
<来歴について>
江戸時代に仙台藩伊達家に医師として仕えていた木村寿禎が収集し、所蔵していたものの中から出品しております。
所蔵されていたものの多くは、京都の公家(近衛家、鷹司家、九条家、大炊御門家)が書いた古文書でした。
伊達綱村(仙台藩第4代藩主)が近衛基熈を通じて公家の茶道具や古文書を入手したり、京都の公家の娘が伊達家当主に嫁いだ際に嫁入り道具の一つとして古文書を持参したため、仙台藩では公家が書いた書物を多数所蔵しておりました。
その後、一部の古文書は伊達家から仙台藩医の木村寿禎に渡り、木村家で代々受け継がれております。
<サイズ>
木版古今和歌集:縦26.3㎝、横9.2㎝
厚紙:縦29.7㎝、横21㎝
<送付方法等>
・送料は落札者様のご負担となります。「おてがる配送ゆうパケットポスト」にて発送いたします。
・発送の際は、読み下し文と現代語訳もお付けいたします。
<かんたん決済の仕方について>
こちらに掲載されております。
かんたん決済の方法
<読み下し文>
(寛平御時后宮歌合の歌 読人しらず)
梅かゝ(香)を袖にうつしてとゝめては春はすくともかたみならまし(和歌番号四六)
素性法師
ち(散)るとみ(見)てあるへき物を梅(の)花うたて匂ひの袖にとまれる(和歌番号四七)
題しらす 読人しらす
ち(散)りぬともか(香)をたに残せむめ(梅)のはな(花)恋しきときの思ひ出にせん(和歌番号四八)
<現代語訳>
(寛平御時后宮歌合の歌 読人知らず)
あたり一面に漂っている梅の香りを、袖に移していつまでも残せるものならば、たとえ春が過ぎ去ってしまおうとも、その記念になってくれようものを。(和歌番号四六)
素性法師
花が散るな、と思って黙って見ていればそれでよかったのに、なまじ触れたばかりに困ったことには、梅の香りが袖に残って、散った花が思い出されて惜しまれる。(和歌番号四七)
題知らず 読人知らず
花は散ってしまおうとも、せめて香りなりとも枝に残しておいてくれ。 梅の花が恋しくなった時には、それを思い出のよすがにしたいから。(和歌番号四八)
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