フレキシブルアームの台座付き。アームの先端がボールジョイントになってるので、自由なポージングで展示可能。でも機体がダイキャスト製で重いので傾けすぎると、そのまま倒れると思います。
垂直尾翼に『NSAWC』と書いてありますが、これはNaval Strike and Air Warfare Center(海軍攻撃&航空戦センター)の略で、戦闘機のパイロットを養成する機関、通称『トップガン』です。
このF-14は迷彩塗装ですが、空中戦の訓練の際に敵役をやってたのだそうな。なのでソ連機の様な迷彩塗装を施してあります。
トップ・ガンは通称で、組織の改編に伴い正式名称はコロコロと変わります(やることが年々増えてるから)。
現在の正式名称はNAWDC(Naval Aviation Warfighting Development Center:海軍航空戦開発センター)。ヘリコプター要員や電子戦機の要員の訓練や戦術開発も行ってます。
◆趣味のトップガン
1969年。カリフォルニア州ミラマー基地に『United States Navy Fighter Weapons School(NFWS:アメリカ海軍戦闘機兵器学校)』が作られました。
前線のパイロットに空中格闘戦の戦術と操縦技術を学ばせ、ソ連機の特性などを叩き込むエリートパイロットの育成学校。通称、トップ・ガン。
まあ、映画の『トップ・ガン』と全く同じなのですが。
ベトナム戦争の頃にはジェット戦闘機はマッハ2で飛び、高性能な自動追尾ミサイルを装備してました。
『戦闘機は戦場までミサイル運べば良い。後はミサイルが敵を片付けてくれる』というミサイル万能論。
敵も味方も超音速で飛んでるので、交差するのは一瞬。だから空中格闘戦など起こらないし、機関砲を射ち合うなんて時代遅れの戦術さ。という時代です。
が! 実際にベトナム戦争が始まると、ミサイルが全然当たらなかった!
そして発生するはずのない空中格闘戦が発生し、かなりの数の米軍機が落とされました。
赤外線追尾ミサイルは、敵機のエンジンが発する赤外線を追いかけます。なので敵機の後ろから発射しなければなりません。しかし、敵も後ろを取られまいとするし、敵も同様のミサイルを装備してるので、敵機もこちらの後ろを取ろうとします。
その結果、高機動で互いに相手のバックを取ろうとする為、ジェット機同士のドッグファイトが発生したとゆー。
ミサイルを発射して命中させるために空中格闘戦の技術が必要になりました。
この時代の米軍機はミサイル万能論の為、速度が速いだけで高機動には向いていない設計でした。しかも新時代のパイロット達はドッグファイトの経験なし!
この為、少なくない戦闘機が落とされました。
これは、まずい! という事で、前線のパイロットの中でも腕の立つのを引っこ抜き、空中格闘戦の戦術を教え、操縦を学ばせる学校が作られます。これがトップガン。
ミサイルを有効に発射して命中させるための新戦術が研究され、これを前線にフィードバックする。
第三国経由で極秘に輸入したMig17やMig21を教材に使い、戦闘訓練ではベテランパイロットが敵役を務めました。
戦場に戻ったパイロット達はソ連機を圧倒し始めます。そして彼らは『トップガン』と呼ばれ、海軍戦闘機兵器学校もトップガンと呼ばれました。
で、1986年にトム・クルーズの映画『トップガン』が公開され、トップガンは一躍有名になりました。
現在はネバダ州のファロン基地に本拠地を移し、トップガンとしてはパイロットの教官の養成。対潜ヘリや電子戦機の要員の育成、戦術の開発を行う機関になってます。