絶版希少図録本 うらない・まじない・いのり 中世呪術 陰陽道 密教美術 密教図像 集七十二家相書解題 観相 呪術関係資料 約130図版 真言宗 天台宗 占い・呪い(まじない)・祈り 呪詛神祭文 呪詛返し祭文
神奈川県立金沢文庫
平成9年
111ページ
約25.5x18x1cm
※絶版
陰陽師・密教僧が用いた呪術関係の資料を通じて、
中世の呪術と社会の結びつきや意味などをみてゆく展覧会の公式図録本。
巻末解説には、一部の祭文や奥書の翻刻文字起こしも掲載。
後半38ページにわたり、称名寺所蔵『集七十二家相書解題』資料翻刻。解説・活字化したものを収録。
珍しいテーマの、大変貴重な資料本です。
【序文より】
政治と宗教が分離していない近代以前の社会では、「占い」は神・仏の意思を知るための厳粛な儀式でした。陰陽師は中国から伝来した天文・暦法・陰陽五行説などの理論をもとに独自の呪術大系を発展させ、朝廷・幕府に対して、その神・仏の意思を読解し、有効な対処法を答申するものとして重要な役割を勤めるようになりました。
一方、密教憎も陰陽師に対抗して独自の呪術大系を作り上げてゆきました。
今回の展示は、鶴岡八幡宮、称名寺・神奈川県立金沢文庫所蔵が所蔵する陰陽師・密教僧が用いた呪術関係の資料を通じて、中世の呪術と社会の結びつきや意味などをみてゆきます。
【目次】
開催にあたって
図版
総説
解説
資料翻刻 集七十二家相書
【集七十二家相書解題 より一部紹介】
観相は、「春秋左氏列伝」・「史記」など春秋時代を記した史書に数多くの事例を見ることのできる歴史の長い占いです。(中略)「集七十二家相書」の原本は、序文から北宋の宣和五年(1213年)に全三巻で刊行された版本であることがわかります。称名寺所蔵本は、この刊本を鎌倉時代の写した写本で、上巻の断簡九紙と下巻二十八紙の全三十七紙が今日に伝わります。撰者は、下巻の題記に「江陵府超然観道士 張紫之 庭瑞集」と記されています。「庭瑞集」との関係は、明らかでありません。江陵府(湖北省江陵県)は春秋時代初期に楚の都鄙として発展し、その後も揚子江中流域の経済の核となる重要都市として繁栄していました。張紫之は、この地にあった道観(道教寺院)超然観の道士なのでしょう。
本書は、北宋に成立した相書のなかで本文がまとまった形で残る数少ないもののひとつであるうえ、序文と題記によって作者・製作地・成立年代を明確に限定するところに、史料価値の高さがあります。現存する部分の項目立は以下の通りです。
【収録作品】 翻刻―巻末解説に翻刻文字起こし掲載
五行大義
漢書評林
官職秘抄
延喜式
保元物語
吾妻鏡
太平記
御成敗式目
冬雷鳴勘文 不動法 延六 翻刻
重要文化財 金沢貞顕書状 翻刻
卜骨 卜甲
重要文化財 卜筮書巻第二十三断簡
二十八宿并五行法
天こう図
天養二年5月二十一日仁王経御修法日記
北斗法 奥書翻刻
星供図(北斗図)
北斗表白 翻刻
北斗 別星法
妙見菩薩法次第 翻刻
本命属星供次第
諸尊別行略抄 鬼名波由田… 翻刻
日月蝕事 翻刻
羅候計都証文
重要文化財 十二神将像 土曜星 日曜星 水曜星 木曜星 月曜星 火曜星 金曜星 火曜星 月曜星 木曜星 水曜星 ほか
延慶三年具注歴
吉日一覧
重要文化財 称名寺講堂上棟日時勘文
重要文化財 指名未詳書状 翻刻
集七十二家相書 解題・翻刻
平治物語 翻刻
図像抄 巻四 秘法 普賢延命菩薩
別尊雑記 巻十一 六字経 六字明王
諸尊図像集 天等部下 弁才天
覚禅鈔 巻二十七 止風雨法
万安方
産生類聚抄 翻刻
加持温病法 向北方 翻刻
重要文化財 呪詛神祭文 翻刻
神供次第
重要文化財 版本種子曼荼羅 九重守
重要文化財 正気散包紙 翻刻
絵本 垣衣草
犯土用心 翻刻