黒田泰蔵 「手付花入」共箱付き
サイズ 高さ11.2×10.5cm
共箱サイズ 高さ15.2×12.8×12.8cm
こちらの作品は1989年2月22日に落成された大阪阿倍野区にある「新宿ごちそうビル」の落成記念として制作を依頼されて限定数作られたレアな作品(写真5枚目参照)
黒田泰蔵さんといえば白磁の作品で有名ですが、
若い頃に陶芸家・島岡達三に見い出され、海外から帰国して一時
栃木県益子町にあった陶芸家・島岡達三の工房にしばらく滞在しておりました
この時、民藝運動の中心的活動家であり益子焼きの中興の祖・陶芸家濱田庄司が所蔵していた李朝時代の白磁を見たことが後に白磁作品を制作する原点となったと自伝で語られています
京都国立近代美術館に収蔵されている人間国宝・濱田庄司さんの作品「海鼠釉黒流描文大鉢」や濱田庄司さんの代表的作品をを参照していただけると、濱田庄司さんが得意としたシンプルでいながらにして美しく、自由な流し掛けの技法を見ることが出来ます
黒田泰蔵さんのこちらの作品にも人間国宝・濱田庄司さんに匹敵するほどのシンプルで美しい自由闊達な絵付けがとても素晴らしいですね
上記から1989年、通常の作品制作とは別に依頼を受けた限定作品ということで、粋な遊び心と益子焼きへのオマージュを込めてこちらの作品を制作されたのではないかと個人的に推察しています
また作品自体のテクスチャーや仕上がりも極めて良く、後々のピッチャー等に見られる黒田作品の片鱗をうかがわせるような素敵な作品となっております
時代と制作過程を考察していくと、黒田泰蔵さんのバックボーンにあるお世話になった恩師や先輩、益子焼きの関係者からうかがい知れる民藝風の素朴さと
益子焼きのような温かみのニュアンスを内在させているようにも感じます
また1960年から80年代の北欧の陶芸や家具などのデザイナーズアイテムや
イギリスのモダニズム陶芸家ルーシー・リーに相通じる質感、侘びさびを感じさせる存在感すら漂わせていると思います
黒田泰蔵さんの唯一無二の「静なるオリジナリティー」の獲得と
焼きものとしての実体を超越してミニマムな美・わびさびそのものに昇華させてしまう芸術性の変遷を知ることの出来るであろう貴重な作品
黒田泰蔵さんの作品のコレクターの方に所有していただいて、その作陶の変遷を作品の記憶と共に後世に残して頂けたら幸いです
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黒田泰蔵さんの作品が大好きでかなりの数を集めてきました
お好きな方に大事にしてもらえたら嬉しいです
丁寧な梱包と迅速な発送を心がけますので、お取り引き終了までよろしくお願いいたします。