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デノンのブックシェルフ型スピーカー「SC-CX101」です。
以下の整備を施しています。
・ 電解コンデンサの交換
・ 配線の引換え
・ ソフトドームの再コート
内蔵ネットワークの電解コンデンサをすべて新しくしています。(写真8枚目下)
HPFはParcAudio製電解とパナソニック製フィルムを併用する形にしています。
LPFにはニチコン「DB」を採用。
また、一部のフィルムをJantzenAudio製電解に交換しています。
静電容量はオリジナルと同等です。
内部の配線をすべて引き換えています。
ツイーター用はJVC製、ウーファー用にはオーディオテクニカ製14AWGのOFCコードを採用。
ツイーターのソフトドームの古いコーティングを除去し、アクリルエマルジョンで再コートしています。(写真9枚目上)
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キャビネットの状況は、底面にやや多めの擦り傷があります。(写真7枚目)
そのほか、天面(6枚目)と側面(5枚目)の一部に小さめの引っかき傷があります。
目を凝らさないとわからない程度ですが、片方の側面の一部に色移りのような跡があります。(4枚目)
※ 黒いシミのようなものは、天然の杢目の一部です
前面ネットには穴や剥がれは無く綺麗です。
背面のバインディングポストとショートバーは、分解し内部まで薬剤で研磨してあります。
底面のコルクシールを撤廃、フェルト製に張り替えています。
バスレフポートのチューニング用フォームとケーブルAK-1000は付属しません。
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ヨーロピアンサウンドを打ち出すデノンの小型2ウェイシステムです。
総突板張りのキャビネットは、ウーファーの保持を強化した堅牢な造りとなっています。
そのウーファーもアルミダイカストフレーム椀形二層振動板、また二階建ての基板で組まれたフィルター回路や、バイワイヤリング対応と、コストをかけられているスピーカーです。
音はフラットなバランスで、誇張が少なく素直な印象。小型ながら余裕を感じさせる音です。
整備では、古くなった部分の延命を主としているほか、ウーファーの音に張りを出すために、フィルムコンデンサをあえてケミコンに変更するなど調整してあります。
メーカーの熱がこもったスピーカーといえます。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:157W x 257H x 234D mm
・ 重量:5.2kg
・ インピーダンス:6Ω
・ 再生周波数帯域:45Hz~40kHz
・ 出力音圧Lv:86dB/W/m