ROBERT LAKATOS、澤野工房でのだい5作目となる今作は彼のピアノトリオ美学を更に一歩押し進めた技ありストーリー展開の美品です。と
は言っても、モチベーション全開オリジナルナンバーの嵐で我が道を行く!!といった風ではありません、どう考えても。まず、一曲目
がBEATLESですからねwww。その後の選曲、展開を聴いていくうちに「これはどうやら、とても思いやりのあるトリオだぞ!?」と胸を打たれ
ました。個人的にこの選曲の中からパッと目に飛び込んできたのはTr.4 BOLIVIA(CEDER WALTON)でしょうか。「こんな格好いい曲もある
の憶えてる?」というメッセージをピピッと感じました。間違いなく良い選曲です。それからTr.10のCONFIRMATION(CHARLIE PARKER)、
こちらからは「ちゃんとこれもやっておきたい!」という真摯な姿勢とともに、聴き手と意識の共有を図ろうとする思いやりを感じました。そ
の他Tr.2 BUT NOT FOR ME、Tr.6 Woody'N You(GILLESPIE)、Tr.9 'ROUND MIDNIGHTと、手堅いスタンダードチューンをしっかりと弾
きこなすことにより、美しいバラードTr.5 YOUNG AND FOOLISH や、モーダルチューンTr.7 HRF PLINCE 、Tr.8 L.T(For KLAUS)等のオリ
ジナルチューンの存在感を際立たせ、このアルバムの中になくてはならない役割が与えられているのであります。バランスの美学、ここに極
まれり!といったところです。是非、体感して頂きたいです。
ROBERT LAKATOS(p), CHRISTIAN LAKATOS(b), DRE PALLEMAERTS(d