リーダーがエリック・アレキサンダー重厚感はさほどなく、でも軽すぎず、
渋さも備わっている音色が好きなテナー吹きです。
このアルバムはエリック・アレキサンダーのワンホーンで、存分にテナーを楽しめ
ます。1曲目「Up, Over & Out」は少し速めのテンポで乗りの良い曲で、アルバムの1曲目
にふさわしいでしょう。メイバーンのピアノソロがノリノリでとても良い。アレキ
サンダーもバリバリ吹いて頑張っており、気合いを感じる素晴らしいアドリブ。ファンズ
ワースは長めのドラムソロを取るが、小気味良くて好き。4曲目「Flying Fish」はアルバム
の中で随一のゴキゲンな曲。ブロウしまくりのアレキサンダーが聴けます。このアルバム
のベストプレイではないでしょうか。アレキサンダーに続いてソロを取るのはメイバーン
。よく転がる右手に対して、左手のコードが面白い動きをし続けます。リズムも音もユニーク
。再びアレキサンダーに戻るとアラビアンな雰囲気の旋律を奏で、ファンズワースとのバトルを
2ターンやってエンディングに向かいます。終始ファンズワースのドラムが良いですね。7曲目
「I Remember Clifford」は言わずと知れた名バラード。大好きな曲です。アレキサンダー
の後ろで弾くメイバーンのピアノがちょっとうるさい気もします。ソロは良いんですけど。
全体的に、この曲が持つ哀愁を少し消しすぎな気もしますが、元気にバリバリ吹くクリフォード
・ブラウンを彷彿とさせるという意味ではこれも1つのカタチかもしれません。ただ、ジョン・オレ
のアルコによるベースソロはいただけない。音も汚く、申し訳ないけど、台無しという感じがします。
1 Up, Over & Out
2 The Nearness of You
3 Eronel
4 Bewitched(Bothered & Bewildered)
5 Flying Fish
6 Blues For Mabe
7I Remember Clifford
8Ba-Lue Bolivar Ba-Lues Are