「Less Than a Pearl」「Drifting」といった曲では、エンヤは時を忘れたかのようにゴシック的な詠唱と賛美歌を歌っている。「Less Than a Pearl」は、ローマ・ライアンが作った架空の言語、ロクシャンで歌った3曲のうちのひとつ。ロクシャンはエンヤを解放させたようで、特に紛れもないお祭り騒ぎの「The River Sings」では、スコットランドのマウス・ミュージックのスタイルで民族コーラスを歌った。だが、そこへたどり着くには、まるで鎮静剤を飲んだカーペンターズのような、葬送曲めいた一本調子のスローなバラードをのろのろと聞かないとならない。どちらかと言えば抑制の効いた「It's in the Rain」のアレンジは、四半世紀前にエンヤが仲間のクラナドと歌って以来経験していなかった、フォークのような単純さをほぼ達成している。『Amarantine』は浮き世とは切り離された状態から生まれたように聞こえるが、これはエンヤの過去のアルバムと同様である。(John Diliberto, Amazon.com)