米国出身の非常にローカルな活動に終始しているジャズファンク系演奏者が結成したジャズロックバンド、スペアーパーツの２０１６年発となる３作目。一応はヴォリューム１となっているものの、本作以降、７年以上も経過しているのに続編のリリースが無い事を考えると既に解散しているのか、当初から連作シリーズでのリリースを考えていなかったのか何れかといったところ。編成はベース、ドラムス、オルガン、エレピ、ムーグ、クラヴィネットを操る基本トリオ編成にゲスト演奏者として一時は辺境プログレ系ジャズロック筋にも注目されたパキスタン出身のギタリスト、ファリードハーケの参加が大注目で、本作でも個性的なギターソロをバリバリ弾きまくっていて高ポイントに。他には７弦エレクトリックベースの新進気鋭テクニシャン、ビルディッケンズの参加も見逃せないところ。内容はこれが面白い事になっていて、奇数拍を巧みに用いたジャズファンクが転生したジャズロック系で、偶然にぞうなってしまったのか？或いはそこを狙ってこうなっているのか？という詮索は脇に置いといても、プログレ系の特にカンタベリー派好きには非常にアピールする音楽性。冒頭から８拍子と７拍子を交互に用いたリズムを基軸にカンタベリー派的なウェットな雰囲気とナショナルヘルス～ギルガメッシュみたいな音型のエレピ、クラヴィネットがけっこうデイブスチュワート～アランガウエンっぽい感じで、さらにこれを持ち前のジャズファンクセンスを通過させたうえでプログレ系ジャズロック方向へも収斂していく非常に格好良い内容。ジャケットもちょっと８０年代のジャーマンジャズロック系自主制作盤っぽい雰囲気があって、まるでペイズリープレスからリリースされていてもおかしくないような、そんなマイナー作然とした知られざる秀逸作。因みに５曲目のフォースティックスはご存知レッドツエッペリンノの同名曲で、意外にもナショナルヘルスっぽく迫る変拍子ツエッペリン曲になっていてこれも非常に面白し。SPARE PARTS-warehaus west sssions vol.1(ropeadope)

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