商品はアシェット(hachette)のエアファイターコレクションを定期購読すると貰える定期購読者特典2の『1/100スケール 航空自衛隊 先進技術実証機 X-2』になります。
ブリスターに入った模型のみですが、定期購読特典なので、冊子は最初から無いんじゃないかと。
台座に『Advanced Technological Demonstrator-X “ATLA X-2” 2016』 と書いてあります。2016年に完成して、一般公開&試験飛行に入ったので、それで『2016』なのだと思います。
ATLAというのは、開発チームの名称で日本語だと、『先進技術実証航空』です。
◆趣味のATD-X(=X-2)
航空自衛隊の次世代戦闘機(F-3)開発の為の実験機なのでATD-X(Advanced Technological Demonstrator-X:先進技術実証機)と呼ばれてた機体です。2016年に実機が完成した際に『X-2』という型番になりました。
F-2支援戦闘機が2035年ぐらいに寿命が来るので、その次のF-3は国産で行こう! という計画が2000年頃に発動。研究が始まります。
F-2(≒F-16)が第4世代戦闘機なので、次のF-3は第5世代戦闘機として開発する事になりました。
第5世代機なので、
1.ステルス
2.高機動の為の推力偏向装置
3.完全コンピューター制御&ネットワークシステム
を備えた新型戦闘機の開発計画です。
2000年頃。形がデザインされ、CADデータがコンピューター上でテストされます。
2005年。実物大模型が作られ、フランスで電波反射特性を試験。ステルス性能を確保。
2006年。実物の1/5大きさ(全長3mぐらい)のラジコンが作られ、飛行実験開始。
開発は順調に進んでいたのですが、2009年に民主党が政権を取り、事業仕分けで基礎技術開発などを無駄な物として、様々な研究開発計画の予算をガンガン削り始めます。
ATD-Xの開発予算も削られました。
が! 2011年の野田内閣(民主党)がF-2の後継機としてF-35を1機100億円で購入する事を決定。日本はF-35の開発パートナー国では無かったので、かなり割高な価格で買わされました。
F-2の後継機として開発されてたのがATD-Xなんだがー。F-35を買うんだったら何のために開発していたんだか。
予算は減らされたものの、次世代国産戦闘機の研究は続けられ、2009年からATD-Xの実機の開発がスタート。
2012年から、三菱の工場で実機の製造がスタート。
2014年に機体が完成。公開。
2016年に完成&初飛行。
2017年10月30日、飛行テスト終了。
2020年に地番兼の防衛装備庁電子装備研究所飯岡支所でステルステスト開始。
X-2のデータは、開発中のF-3に生かされます。
X-2は飛べる状態で保管されてるので、その内、更なる技術開発の為に改造されて、また飛ぶかもしれません。
機体的にはステルス機なので、F-22やF-35と同じ台形翼と斜めの垂直尾翼を持ってます。
更にステルスなので、機体はセラミックや炭化ケイ素の複合材製。
本来ならば機体表面のステルスコーティングも行うべきなのですが、ステルスコーティングはされてません(多分、予算のせいじゃないかな)
ステルスコーティングされてませんが、この段階でもレーダーにはカブトムシ程度の大きさにしか映らないステルス性を確保してます。
最大の特徴は、エンジンノズルにある3枚の推力偏向パドル(※この模型でも再現されてます)。この推力偏向パドルと新開発の飛行制御システムにより凄い高機動ができる・・・のではないかと(機密なので『高機動だよ』ぐらいの発表しかされてません)。
エンジンはIHIで新開発されたXF5-1。世界トップレベルの国産のアフターバーナー付きの高性能ターボファンエンジンです。
コックピットも最新で、2枚の液晶モニターにデータを表示し、ヘルメットのバイザーに情報を映し出すHUD(ヘッドアップディスプレイ)になってます。
機体はコンピューターを介したフライバイワイヤ(一部光ファイバーを使ったフライバイライト)。よって推力・機体制御システムを新開発。
機体の表面にレーダー素子を埋め込んで、全周囲索敵を可能にするスマートスキン・・・は、機体構造のみで実装されず(多分、予算が・・・)。
機体構造はスマートスキンに対応してるので、後からレーダー素子を埋め込んで、スマートスキンの研究に使われるかもしれません。
エンジン系と機体制御系だけでもコンピューターシステムを新開発しなければならないのに、これにレーダーやミサイルなどの火器管制、上で書いたスマートスキンなども統合すると、コンピューターシステムだけでも凄い開発予算と時間が掛かりそうな感じです。
実験機なので14mと小型で、非武装。
その他の細かいことは、機密なので発表されてません。
予算を減らされたので、キャノピーはT-4練習機から流用され、足とタイヤはT-2練習機から流用されてます。