■『スロープ』よりもいくぶん内省的ながらも、緻密に構築された音世界は健在。ともに前作に続いての参加で、ともにサマディサウンドからアルバムをリリースしているトーマス・ファイナーとティム・エルセンバーグ(スウィート・ビリー・ピルグリム)の二人に加え、ニコラ・ヒッチコック(元マンダレイ)らがゲスト・ヴォーカリストとして参加。各人各様の歌声で楽曲を彩っている。チェロの徳澤青弦(anonymass、Throwing a Spoon)が参加したインストのM4 も美しく味わい深い。滋味深く感動的な、ジャンセン一流の美意識に貫かれた傑作である。すばらしい。