★初回限定盤(※再プレス盤ではございません。)
キングレコードがイタリア・チェトラ社の輸入LPを発売した当時(1983年)、これが1950年のライヴ録音とは信じられないくらいの音質で大騒ぎになりました。キングでは86年にこの復刻音源の制作元(DISCOS, Milano)から取り寄せたアナログ・マスターテープ(36巻!)から初CD化して発売(K00Y201~14)。今回、30年ぶりにキング関口台スタジオで最新リマスタリング、それもマスターテープからのダイレクトDSD変換で、世界初SACD化発売になります!
【フルトヴェングラーの50年版の『指環』を聴いて 岡 俊雄】
「フルトヴェングラーの『指環』の全曲録音は1953年のローマ放送局版がすでにCD化されている。生命力にあふれた名盤だが、このトリノ放送版はテープ録音で、音質はケタ違いに凄かった。名だたるスカラ座のオーケストラのさん然たる演奏ぶり、舞台上の歌唱とのバランス、そのいずれをとってもこれは、フルトヴェングラーのおびただしいライヴ録音の中でも、ひときわ凄いもので、同時代のスタジオ録音の最上のものとくらべてもヒケをとらない。ピット内のオーケストラに対するマイクが近すぎ、金管が鳴りすぎたり、ややデッド気味な音だが、細部のよく入っていることに驚嘆する。演奏会前の客席のノイズも適当なリアリティを生み出しており、これはあらゆる角度からみて、1950年のライヴとしては奇蹟としかいいようのない音質をもっている。スカラ座の名演の神髄がここに具現化されたというほかはないほど聴きおわって、呆然たる思いをさせられた。」(1986年記)
【驚異のライヴ、スカラ座での『指環』1950 小林利之】
「キングレコードによる国内発売(LP、1983年)が実現して、ようやく聴き得たスカラ座の『指環』全4部作のオーソライズド盤は、その音質が、1950年のライヴとは信じがたいほどのクオリティをもっていたことで、まさに驚異的なものに感じられた。・・・(略)・・・音質だけではない、いやむしろ感動的なのは、全4部作の1作ごと、1幕ごとに、曲の開始から最後の消えていく音にいたるまで、終始一貫、恐ろしいまでの緊迫感を保持しつつ進むフルトヴェングラーの演奏の劇的生命感の迫力とその無類の美しさである。」(1986年記)
【ミラノ盤のほうが解釈が徹底しており、存在価値がある 宇野功芳】
「クナッパーツブッシュのワーグナーを最高のものと考える僕にとって、フルトヴェングラーの演奏はあまりにもソナタ形式的であり、意志的、主観的、人間的でありすぎ、つけ加えられたドラマがありすぎる。したがって音楽自体が自然に息づかず、ワーグナーを聴くよりはフルトヴェングラーの音楽を聴く感じが強い。(略)
しかしフルトヴェングラーの2種の『指環』全曲盤を比較すると、彼の体臭がより強く表れている、このミラノ盤のほうが解釈が徹底しており、存在価値があるように思われる。」(メーカー資料より)
ワーグナー:
『ニーベルングの指環』全曲
1. 『ラインの黄金』全曲(KKC.4072/73)
2. 『ワルキューレ』全曲(KKC.4074/76)
3. 『ジークフリート』全曲(KKC.4077/80)
4. 『神々の黄昏』全曲(KKC.4081/84)