作者: ジョルジュ・ルオー
タイトル: 悪の華
ルオーのオリジナル銅版画14葉揃
限定425部のうち265番(他に非売品25部あり)
制作年:1926-1927 年
出版年・出版社:1966 年・エトワール・フィラント(流れる星出版協会)
技法/材質:エリオグラヴュール、シュガー・アクアチント、
ドライポイント、スクレイパー他/紙
紙:44.5×34.0 ㎝
布貼タトウ・ダンボールの輸送箱あり
日本語の解説冊子あり
薄いシミ等はありますが、目立った欠点はなく、版画の状態は概ね良好です。
輸送箱には破れやシミ等が相応にあり、布貼タトウは多少の色褪せ、布の微細な剥がれ等があります。
1966年に「流れる星出版協会」によって450部の限定で刊行。
遺族の好意により、1979年現存する全部数170部が日本に招来され、岩波書店により刊行されたものです(定価1,200,000円)。
「悪の華」は、詩人ボードレールの同名の詩に14点の銅版画を添えた詩画集であり、画商ヴォラールの企画による。
1926年から27年にかけて制作され、500部刷られたが、当時は結局陽の目を見ず、彼の死まで手元に保管され、銅原版は印刷の後廃棄された。
1966年になってから本として完成され、「流れる星出版協会」によって刊行された。
1927年の刷りはジャックマン、製版方法は原画を写真撮影し、それを銅版に転写して腐食させるエリオグラビュールで作った版に、ルオーの指示に従ってアクアチント、ドライポイントなどで修正を加えて行われた。
500部のうち散逸したものもあったため、1966年の刊行時には450部限定とし、うち25部を非売品として、425部が売り出された。
ルオーがここで、たとえばリトグラフではなく、銅版を用いたのは、おそらくリトグラフの平面的で軽やかなインクのつきかたではなく、銅版が持つインクの微妙な盛り上がりを生かしたかったからであろう。
ルオーは詩の内容を忠実に再現するのではなく、彼の内面から湧き出るイメージを詩とダイナミックに交錯させることでこの作品を作っている。
従って一点一点のタイトルも特には定められず、タイトルは、遺族のイザベル・ルオー女史が付したものである。