商品はアシェット(hachette)から2018年11月に発売されたエアファイターコレクション第14号の『アメリカ海軍F-14Aトムキャット 第31戦闘飛行隊“トムキャッターズ”』になります。
模型だけの出品で、雑誌はありません。
ブリスターは未開封です。
組み立てる場所はなく、取り出して飾るだけです。
タイヤを格納した飛行状態の模型です。
1/100のダイキャストモデルで、全長約19cm。
機体の下にフェニックス超長距離ミサイルを2発、主翼の根元のパイロンにスパローとサイドワインダーを各2発装備してます。
胴体と水平尾翼はダイキャスト製(触った時に冷たいから)、主翼と垂直尾翼、エアインテークがプラ製(冷たくないから)です。
主翼は、左右連動して開閉できます。
フレキシブルアームの台座付き。アームの先端がボールジョイントになってるので、自由なポージングで展示可能。でも機体がダイキャスト製で重いので傾けすぎると、そのまま倒れると思います。
爆弾を持ったフィリックス・ザ・キャットのエンブレムが有名なトムキャッターズ。のF-14になります。
垂直尾翼に『USS FORRESTAL』のマーキングがありますが、1985年にVF-31は大規模改装を受けた空母『フォレスタル』の艦載機部隊となり、主に中東方面に展開してました。
◆趣味のVF-31(第31戦闘飛行隊)トムキャッターズ
元々は1935年にアメリカ海軍で2番目に創設されたVF-1Bシューティングスターズとしてスタートします。
複葉機でもシューティングスター!!!
1937年に空母の艦載機部隊となり、部隊名がVF-6に変わります。
第2次世界大戦中は太平洋艦隊の旗艦 空母『エンタープライズ』の戦闘機隊としてF4Fワイルドキャットで真珠湾から南太平洋、フィリピン、日本本土と、日本軍を追いかけながら常に最前線で戦ってます。
1943年に最新のF6Fヘルキャットに機種転換。この時、部隊名がVF-3トムキャッターズに変わります。F-14トムキャットだからトムキャッターズではありません。
部隊のマークも爆弾を持ったフィリックス・ザ・キャットに変更。
第2次世界大戦後は、ジェット戦闘機を装備し、部隊名もVF-31に変更。朝鮮戦争やベトナム戦争に参加してます。
1981年にF-4ファントムⅡからF-14Aトムキャットに機種転換。空母を次々と乗り換えながら(空母は定期的にドック入りするので、飛行隊は空母を乗り換える)、主に太西洋艦隊に所属し、中東方面で戦ってます。
1992年にF-14Dに機種転換。空母『カールヴィンソン』の艦載機部隊として一時的に太平洋艦隊に所属しますが、カールヴィンソンがオーバーホールに入ると、空母を『エイブラハム・リンカーン』に変え、再び大西洋艦隊に戻ってイラク戦争に参加してます。
長い間F-14を使ってたVF-31ですが、2005年にF/A-18Eスーパーホーネットに機種転換。部隊名がVFA-31(第31戦闘攻撃飛行隊)に変わります。
何気にF-14を運用してた最後の飛行隊だったりします。
F-14トムキャットは、F-4ファントムⅡの後継機の海軍戦闘機。
その最大の特徴が可変翼です。
飛行機は速くなるほど翼が小さい方が都合が良くなります。音速に達すると機首で発生するソニックブーム(衝撃波)で自分の翼が壊れてしまうから。
しかし翼が小さくなると、飛行機は浮き難くなるので、離着陸距離が長くなります(長大な滑走路が必要になる)。飛ばすのはカタパルトを使えば何とかなるものの、飛行甲板の長さが200mぐらいしかないので、着艦はどうにもなりません。
海軍としては、マッハ2で飛べる超音速戦闘機が欲しいものの、空母で運用する為には、低速性能が高い方が良いので、翼が大きい方が良いとゆー。
そこで開発されたのが可変翼。離着艦時には翼を広げ、音速飛行時は翼を閉じてデルタ翼機に変身する。特にF-14では速度に応じて翼が自動で開閉する能力があります。
これにより、超音速性能と低速性能の両方を満たすことが出来るとゆー。空母で運用する海軍ならではの事情があります。
F-14の開発が始まったのは1970年代ですが、その10年前の1960年ごろ、アメリカ海軍はF-4ファントムⅡの次の高性能戦闘機を欲してました。F-4よりも速く、F-4よりも航続距離が長く、F-4よりも大型のミサイルが積める艦隊防空用の高性能戦闘機。
ちょうど大型の原子力空母が完成した事もあり、原子力空母用の大型高性能戦闘機が欲しいなあ。と米海軍が考えてました。
同じ頃、空軍はF-105の次世代の攻撃機を欲してました。
同じジェット機なんだから、海軍と空軍で別々の飛行機を開発するより、同じ機体を使えば開発予算を削減できるじゃん。という国防長官ロバート・マクナマラの発案により空軍と海軍共用の次世代機F-111が開発される事になりました。
これは海軍の傑作戦闘機F-4ファントムⅡを空軍でも採用した所、うまく行ったので、同じ事をもう1回やろうとしたのです。
が! 結果から言うと、うまく行かなかった。
海軍機を空軍が使う分には、何の問題も無いのですが、逆は無理とゆー。
空軍機は地上の滑走路を使う為、機体の大きさや滑走距離の制約がありません。
一方、海軍機は空母で運用する為、大きさ・重さ、離着艦速度の厳しい制約があります。
空母のエレベーターに乗るサイズじゃないと駄目だし、エレベーターで運べる重さじゃないとダメだし、カタパルトで射出できる機体強度と、空母にゆっくり着艦できる低速飛行能力が必要です。
なので最初から空母で運用する事を前提に設計されたF-4を地上の滑走路で離着陸させるのには何の問題も無かったのですが、逆は無理っぽい。
F-111の海軍型F-111Bは、いちおー完成したものの、海軍は不採用にします。
そしてF-111でゴタゴタしてる間に10年経過してしまい、その間もずーっとF-4ファントムⅡが現役だった為、1970年代に入ってF-4に代わる高性能戦闘機として開発されたのがF-14トムキャット。
可変翼を採用し、超音速飛行時には翼を畳んでデルタ翼機として、離着艦時には翼を開いて低速飛行が可能。
空母機動艦隊を敵機から守る為、射程200kmの長距離フェニックスミサイルを装備(※この模型も装備してます)。敵戦闘機との戦闘に備え、中距離ミサイルのスパローと短距離ミサイルのサイドワインダーも装備可能(※この模型も装備してます)。
射程200kmのミサイルを積んでるという事は、その距離が見れるレーダーも積んでるという事、F-14の火器管制装置は、24の目標を同時に追尾する能力があり、6つの目標に対してミサイルによる同時攻撃を仕掛ける能力があります。
コックピットは複座で、前席が操縦で後席がレーダー手席(F-4と同じ)。通常は後席で中距離ミサイルと長距離ミサイルの操作を行います。
最高速度はマッハ2.3。
可変翼は速度に応じて自動で閉じたり開いたりします(※この模型でも主翼は左右連動して開閉します)。
同時期に開発された空軍のF-15イーグルと比べると、可変翼の下に武装を吊れない為、兵装の搭載量が少なく、可変翼の機構の為、F-15よりも重いという欠点があります。
700機以上生産された名機になりますが、アメリカの他は、オイルダラーで潤ってたイランで採用されただけなので、F-15と比べると生産数は少なくなってます。
F-14とF-15は西側各国に売り込みを掛けたのですが、ほとんどの国がF-15の方を採用してます。これは、どこの国も原子力空母を持ってない。というのが大きいです。
またF-14は2006年に全機退役し、F/A-18ホーネットと交代しましたが、実は性能はF-14の方が良いのです。ただF/A-18の方が値段が安いので・・・。
ところでイラン空軍のF-14ですが、アメリカからF-14の予備部品を密輸したり、退役したF-14のパーツを密輸したりしながら、まだ現役。世界で実戦配備されてる唯一のF-14になります。
エリア88でミッキーが乗ってたF-14もイランに輸出されて行方不明になってた機体をマッコイの爺さんが見つけて来た奴でしたし。
マクロスゼロでは、2008年なのにF-14が未だに現役で、後にバルキリーにまで発展してしまいます。
更に映画『トップガン・マーヴェリック』では、マーヴェリックの駆るF-14がならず者国家のSu-57を撃墜したし、アメリカ海軍最強にして、最高にカッコ良い戦闘機、それがF-14です。
箱の大きさは横25cm×縦16.5cm×高さ6cm。
写真の1枚目は、ブリスターの上から(実際の商品)。
写真の2枚目は、主翼を開いた状態(※見本)。