「司馬遼太郎が語る」全8巻揃
新潮社CD 2005年
当時定価1万6千円
購入後1度聴いたきりで、大切に保管していたので非常に綺麗なコンディションです。
司馬遼太郎の講演の録音CDです。
全8巻揃いの完品です。
【第1集】建築に観る日本文化
ヨーロッパに見られるような巨大建築は何故日本根づかなかったのか。
壮大な寺院建築が現れた奈良朝、武士の時代の庭園と茶室、江戸期の数寄屋造り、そして明治以降の近代建築。古代から近代まで建築史を俯瞰しながら語った興味深い日本文化論。(1992年横浜みなとみらい21にて収録)
【第2集】歴史小説家の視点
歴史小説家は事情のどこに着目し、何をそこから汲み取っていくか。
歴史小説を書くにあたっての発想のコツを、具体例を挙げながら分かりやすく語る。
作家、司馬遼太郎の歴史に対するスタンスを提示した「司馬史観」の原点ともいえる講演。
(1968年新宿紀伊國屋ホールにて収録
【第3集】草原からのメッセージ
中国東北部から東ヨーロッパへと続く広大なステップを舞台に、栄枯盛衰を繰り広げてきた草原の民。
匈奴、スキタイ、モンゴル、韃靼などその時々でさまざまな呼び名を持つこの草原の民と彼らが築いた「遊牧」という文明の意義について語る。
(1992年千葉市文化センターにて収録)
【第4集】文章日本語の成立
われわれが日常使う日本語の文章は、どの様な経緯でいごろ成立したのか。
漢文読み下し調から脱却し、夏目漱石や正岡子規などの手を経て、現代維新後の言葉の変遷をたどりながら、文章日本語の成り立ちを語る。
(1982年NHKホールにて収録)
【第5集】日本人と合理主義
思想・宗教・イデオロギーなど特定のドグマにとらわれない日本人の合理主義的な気質はどのような経緯で形成されたか。
室町以降の貨幣経済の発達と、論理より実証を重んじてきた思想史を背景に、独自の文化風土を醸成してきた日本型リアリズムの特徴を語る。
(1977年静岡公会堂にて収録)
【第6集】私ども人類
人類の進歩には不可欠な国際交流。
極東の島国日本において、最大のそれは「鉄の伝来」であった。
鉄器の導入は農業生産を飛躍的に拡大させ、ついには古代から続く社会構造を一変させる。
「鉄の伝来」とその発達が日本の成り立ちに与えた影響を語る。
(1991年亜細亜大学にて収録)
【第7集】キリスト教文化と日本
ザビエルの布教以来四百余年、日本人が接しながら理解するに至らなかったキリスト教文化の核心。
それは神という巨大なフィクションを中心に据えた「絶対的世界観」であった。
日本人とキリスト教の関わりを通じて日本文化と西洋文化の差異を語る。
(1990年同志社大学にて収録
【第8集】医学が変えた近代日本
鎖国が国是の江戸時代において、医学は「人助けの技術」であると同時に、西洋を知るための「装置」でもあった。
この装置を通じて日本に移植された「自由」「平等」「民主主義」といった考え方は、その後、幕末の日本を大きく揺るがすことになる。
近代国家、日本の成立に「医学」が果たした役割を熱く語る。
(1988年順天堂大学にて収録)