
ロレックス
デイトジャスト
バブルバック
フレンチケースイエローゴールド
1950年以降
今回、コレクション整理のため出品させていただきます。10約束70年前にフランスでロレックスから製造委託された大変希少な1品です。なかなかお目にかかる事はないと思います。
ダイヤルはデイトジャストRef.6105の前期(デイトジャスト表記無し)のブラックミラーダイヤルになります。
製品特徴はミニッツサークル、12時側のROLEX OYSTER PERPETUALおよびSWISS表記はギルト(下地出し)です。6時側のOCC表記はプリントです。
リューズはRef.6105同様にスーパーオイスター仕様でリューズを閉じた状態でねじを巻き、1段階引いた状態で時間調整をおこないます。
フレンチケースにつきましては以下サイトを参考に確認をお願い致します。
本体にはリファレンス表記はありませんが、裏蓋に9654の刻印があります。
18K以上のフランス金製品に刻印される、鷹の横顔の刻印が裏蓋の内側、4時方向のラグ外側、本体のスナップバック受け部分、3か所にしっかりと確認できます。
日差は10〜20秒と非常に調子が良いです。
ガーカウンターでは1.8kSv/h と強い反応を認めまで夜光はオリジナルのラジウムと思われます。
フレンチケースのロレックスは、1910〜1930年代を中心にフランスでの宝飾技術やマーケットに対応するため、現地の金工房や商社と組んで製造されました。フランス独自のホールマークやアールデコ様式の意匠が反映されており、現在ではアンティーク市場で非常に高い評価を受けています。
1.当時のロレックスとフランス市場
国際展開の始まり
ロレックスは1905年の創業当初から、イギリスやフランスなど欧州各国での市場開拓を進めていました。
特にフランスは宝飾文化が成熟しており、高品質な金・プラチナ加工の技術や工房が多く存在するため、ロレックスにとって重要な拠点となりました。
フランス宝飾産業の位置づけ
フランスには古くから金細工の伝統があり、パリを中心に技術力の高いアトリエや商社が多数存在しました。
こうした宝飾の中心地で製作・流通されることで、ブランドイメージの向上や新たな顧客層の開拓が期待できたと考えられます。
2.フレンチケース製造と特徴
製造委託の流れ
当時、ロレックスは自社でケース製造を行うだけでなく、各国の優れたケースメーカーに製造を委託していました。
フランス向けのモデルについては、パリやリヨンなどの金工房・ケースメーカーと提携し、フランス国内で仕上げられるケースが存在しました。
フランス独自のホールマーク
ケースに刻印されるホールマークとして有名なのは「鷲の頭(18金)」「犬の頭(プラチナ)」などがあります。
これらはフランスの貴金属検定所で正式に検査を受けた証であり、国内向けや輸出入を示す刻印も施されることがあります。
素材・意匠のバリエーション
フレンチケースの多くは金無垢(18K)が中心ですが、プラチナやホワイトゴールドを使用したものも存在します。
3.フレンチケースの代表的な時期とデザイン
1910〜1930年代:全盛期
第一次世界大戦後から1930年代にかけて、フランスの宝飾産業は再び活気を取り戻し、アールデコの影響がファッションや宝飾に強く表れました。
ロレックスのフレンチケースでも、文字盤やケースにアールデコ調のデザイン要素が取り入れられたモデルが多く制作されました。
第二次世界大戦前後:変革期
戦争の影響や国際的な物流の混乱により、フランス国内でのケース製造や輸出入が難しくなりました。
このため、スイス製ケースへの移行が進み、フレンチケースの製造量は次第に減少しました。
4.フレンチケースの価値とコレクター市場
希少性と評価
スイス製のロレックスが主流の中、フレンチケースは圧倒的に生産数が少なく、装飾性も高いことからアンティーク市場では大変人気があります。
コレクション時の注意点
ホールマークの真贋鑑定は専門家が行うのが望ましく、ケース内部の刻印(フランス語刻印、輸入業者印など)を含めて慎重にチェックする必要があります。
価格帯の変動
アンティーク市場での取引価格は、状態やデザインの希少度によって大きく変動します。
フレンチケースの中でも特にデコラティブな彫金が施されているモデルは高値がつきやすい傾向にあります。
5.代表的なフレンチケースの判別方法
判別ポイント内容メモ
ホールマーク鷲の頭(18K)、犬の頭(プラチナ)などケース側面・ラグや裏蓋に刻印
製造年代1910〜1930年代が中心その後は徐々に減少
ケース素材18Kゴールド、プラチナ、ホワイトゴールドなど高価素材が多い