更に主翼の根元のパイロンにLANTIRN(赤外線ポッド)スパローとサイドワインダーを装備しており、装備がちゃんとD型になってます。フェニックス長距離ミサイルを外し、LANTIRNとレーザー誘導爆弾を装備したボムキャット仕様です。
フレキシブルアームの台座付き。アームの先端がボールジョイントになってるので、自由なポージングで展示可能。でも機体がダイキャスト製で重いので傾けすぎると、そのまま倒れると思います。
同じ塗装のプラモデルがタミヤやハセガワから出てますが、このF-14も割と有名な機体。
台座にも『Final F-14 cruse 2006』と書いてあります。
2005年9月から翌年3月までの原子力空母『セオドア・ルーズベルト』での航海が、F-14の最後の実戦配備となりました。
この時代のF-14は、地味なロービジ塗装なのですが、F-14の最終航海なので、2005年の8月に特別塗装機がお披露目されました。それがこの模型の213号機。
F-14全盛期の頃のガルグレーに鮮やかな青のラインの入ったラストクルーズの特別塗装です。
垂直尾翼には、VF213のシンボルである黒いライオンが描かれ、ラダー(方向舵)には星が7個描かれてます。VF213の黒ライオンは獅子座の獅子なので、普段はライオンと星が一緒に描かれているのですが、この特別塗装の時は星がラダーに描かれました。
◆趣味のF-14Dスーパートムキャット
1990年に開発されたF-14の最終量産型がD型です。
初期型のF-14Aは、F-111用に開発されたTF30ジェットエンジンを流用してました。
このエンジンは最初からパワー不足だったのでF401エンジンに交換する予定だったのですが、予算の都合で却下されました(F-14は高いから~)。
実はTF30には、急激な姿勢制御でエンジンに入る空気の量が変わるとエンジンが止まるという大問題がありました(コンプレッサーストール)。
これは元々TF30が攻撃機用のエンジンとして開発された為、急上昇や急降下、急旋回などの戦闘機動を考慮されてなかったのです。エンジンの欠陥というより、機体とエンジンがマッチしていない。という問題でした。事実、TF30を搭載したF111では何の問題も無く飛べてます。
映画『トップガン』でもマーヴェリックのF-14がアイスマン機のジェット後流に入りエンジンが停止して落ちてます。
そこでエンジンをF-15Eストライクイーグルに搭載されてるF110エンジンに換装。出力が30%アップし、急な機動でのエンジン停止の問題もなくなりました。
更にF-14Aでは可変翼機なのでスピンしやすく、スピンに入ったら元に戻らない。という大問題がありました。
映画『トップガン』でもエンジン停止後のマーヴェリック機が錐もみスピンから立て直せず落ちてます。
映画トップガンのあのシーンは、まさにF-14Aの2大欠陥をそのまま描写してるとゆー。
1979~85年にNASAでこの問題が研究され、新たな飛行制御システムが開発されました。
F-14Dでは、この新たな飛行制御システムを搭載した新型のコンピューターに換装。それに伴いレーダーや火器管制システムがデジタルの新型に換装。
新型の空対空ミサイルを装備できるようになりました。
コックピットもメーター式から液晶パネルに変更。
暗視ゴーグルや赤外線ポッドに対応して夜間でも飛べるようになりました(全天候型戦闘機になった)。
見た目はA型と同じですが中身がガラッと変わってます。外観上の違いはエンジンノズルぐらいですね。
これでようやくF-14が完成したものの、元々高かった値段が更に高くなり、324機調達される予定が、わずか37機製造されて終わりました。戦闘機の数を揃える必要があった為、残りはF/A-18ホーネットで誤魔化すことに。
何せ空軍のF-15イーグルよりも800万ドル高いので議会を納得させられませんでした。残念!