自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
アメイジング・グレース 陣内孝則
俳優になってしばらくしたその秋、タニの死を知った…。やっと巡り会ったギタリスト、タニ。バンドを組んでから一発逆転をねらう日もずっと一緒だったタニへの思いを綴る、男の生きざまと真の友情の物語。
お前がいればなんとかなる! ロックンロールに目覚めた10代、ザ・ロッカーズを経て、俳優になった現在まで。親友と愛する者を信じ抜く男の生きざま。亡き友に捧げる感動の小説。
巡り会えれば、その夢はかなう!そう信じていたミック・ジャガーに憧れる少年が、やっと出会ったギタリスト、タニ・ノブオ。博多の街でケンカざんまいで続けたライブ。ブルートレインに乗って上京、バンドデビュー。金はないけど、一発逆転をねらう日もずっと一緒だった96年。俳優になってしばらくしたその秋、タニの死を知った…。陣内孝則が書き下ろす、男の生きざまと真の友情の物語。
レビューより
1980年、バンド、デビュー。博多の「昭和」にも出演。伝説のハコだ。井上陽水、長渕剛、チューリップ、甲斐バンド、サンハウス、ザ・モッズ、ルースターズ、武田鉄矢、石橋凌等々の出演した音楽の登竜門。
「プロになりたか!」というタニとジン。中野サンプラザでオーディションを受けた。うじきつよしの子供バンドがいた。レベルが高い。キャニオンのディレクター1人が飛びついた。プロデビュー? 命がけの真剣勝負。でも、所属事務所の社長から渡されたのは「アルバイトニュース」1冊のみ。アパートは米軍ハウスだった。いよいよ、レコードを出す。まったく売れない。2枚目。まったく売れない。3枚目。事務所の意向を容れて売れてるロックのカバー曲ばかり。これも売れない。
ライブはいいけど、レコードが売れない。といっても、そのライブだってそんなに集まるわけじゃない。解散。解散する前から、メンバーは解散してた。ほとんどのバンドマンが辿る道をこんなに劇的に面白く描くなんて、すげえや。
物語は、高2の陣内が、ギタリストを探す場面に始まり、バンドの出世と、メンバー間に流れる空気をうまく描いている。素直になれないもどかしさ、友情と裏切り。書き方も面白い。亡くなったメンバーのタニに語りかける形式なのだ。同じ、田村章構成の『バック・ビート』を読んだ時にも感じたが、ロックバンドというのはエピソードに事欠かないらしい。だから、読んでいても、飽きが全く来ない。(300Pちょっとあるにもかかわらずだ)期待に十分こたえる面白さで、文句なしの5点。
最後の2Pで書かれているのが、この話を映画にし!たい、ということなのだが、およそ5年の歳月を経て、この秋、『ロッカーズ』というタイトルの映画が公開された。博多出身のロッカーたちも実名登場で、当時日常的にそんな会話が繰り広げられてたのかと思うと、大変感慨深い。