除籍本 戦争を知っていてよかった 単行本 曽野 綾子 (著)・1139
アラブとユダヤ、辺境と大都会、富裕と貧困…世界各地の「現実」を、作家の眼で、公平かつ冷静に凝視する。安逸の日々を貪る現代日本人に叩きつける、刺激的脳内洗浄。
読後レビュー
「この本は、『新潮45』2003年1月号~2005年3月号に連載された曽野綾子さんのエッセイを一冊の本にした物である。全部で27の独立したエッセイが収められており、題名の「戦争を知っていてよかった」は、その一つである。
私は、曽野綾子さんの意見の全てには賛成しない。特に、イラク戦争についての曽野綾子さんの見方は、私から見ると、問題をかなり単純化して居る様に思はれる。しかし、どのエッセイも、とにかく面白い。全体に辛口で、辛辣(しんらつ)な指摘が多いが、それらを裏打ちする筆者の教養と人生経験の深さには、感嘆させられる。 標題の「戦争を知っててよかった」も深く考えさせられる文章だが、私が一番好きなのは、「イラクからのお客さま」(186ページ)であった。イラクから日本を訪れた宗教指導者と医療関係者を、筆者が歓待し、色々な場所に案内し、そして、伊勢神宮に連れて行く話だが、この話は感動的である。この、イラク人達との交流を、筆者はこう回想する。(以下引用)--私はこうしたお客の受け入れを「一粒の種子」だと思っている。私たちは、ただの一言も、民主主義礼賛も、男女平等共働の意義も、植林の必要も、勤勉の尊さも、異なった宗教がお互いに寛大に共存し合う自由も、海山の幸を何でも豊かに口にする幸福も、宣伝しなかった。ただ充分に見てもらった。(中略)しかしそれらを総合した上で、何が人間にとって幸福かを彼女たちは彼女たちなりに、ゆっくりと考えて、私が浅ましく意図したように、「しゃべって」くれるだろう。できればこの計画を、私は続けて行きたいと考えているのである。(本書194~195ページより)--素晴らしい種子である。」
□図書館除籍本
*出品の除籍本には、ほぼすべての本の、表表紙、裏表紙、底面、背面には、
図書館の管理番号シール・図書館バーコードシール・図書館印印字があります。
*ブッカーと呼ばれる透明のブックカバーで保護されてます。
*経年によるヨゴレ、変色あります。
*中ページに使用されてる紙は材質がよいので経年を感じることなく読みやすいです。
(見て感じたとおりをお伝えしてますが、状態評価には個人差がありますので参考程度にお考えください。)
*読めればいいと言うおおらかな方の入札をお待ちしてます。
□古本・除籍本をご理解のうえ入札お願いします。
・出品タイトルの最後の数字は商品管理番号です。