本書は、自由英作文の書き方を基礎から教えてくれる参考書です。基礎を学んだあと、問題演習を通じて読者が自由英作文に習熟し、それを入試の得点源にまで高めてくれることをねらいにしています。全体は作文の種類ごとに４つのパートに分かれています（画像7）。自由英作文と聞くと「むずかしくて書けないよ」という方も多いと思われますが、著者は「実は自由英作文は読解問題よりやさしい」と言います。その根拠は２つあります。ひとつめは、むずかしい単語を使う必要がないということです。そしてもうひとつは、入試では日本語による作文と同じレベルの英文は求められていないということです。確かに、２０分程度の時間で、構成、内容、文法のすべてが完璧な英文が書ける受験生はほとんどいないのではないでしょうか。それでは、どのようにして書けばよいのでしょうか。著者は、ある種のパターンにのせて「ソコソコ」読ませる英文が書ければよいと言います。この辺の割り切り方はいさぎよいですね。しかし、そうしたテクニックよりも大事なものがあるとも述べています。それは「イマジネーション」です。つまり、ある題を与えられたとき、どんな内容を中心にし、それをどのように膨らませて結論にもっていくかという「想像力」を磨くことが大切であると力説しています。それも含めて、自由英作文の書き方を懇切丁寧に教えてくれる、使いやすい参考書であると思います。状態は、カバーに多少スレがありますが、中は書き込み等なくきれいです。２０１７年発行の第１７刷で、定価は税込みで１３７５円です。