東京国際フォーラム公演は、全6公演に及ぶ日本ツアーの最終日。
定刻通りに場内が暗転、「ワルキューレの騎行」がSEとして流れた瞬間に
往年のファンが大歓声を挙げ、そしてステージにマイケルが現れた。
他のメンバーはテッド・マッケンナ(dr)とクリス・グレン(b)、スティーヴ・マン(key, g)。
つまりリード・ヴォーカリストがいない。この状態でマイケルが冒頭のコードを鳴らしたのだ。
まさかの「Holiday」? それもヴォーカルはマイケルが自分で執っている!?
これはまさしくサプライズ。
普通だったら絶対にオープニング曲に選ばないであろうスコーピオンズのバラードを1曲目に、
しかもマイケル自身の味わい深い歌声で聴けるとは。
ただ「Holiday」は1コーラスのみで終わり、実質的なオープニングはUFOの「Doctor Doctor」だった。
従来ならクライマックスで演奏することが多いこの曲を最初に持って来ること自体が驚きだ。
1番はグラハム・ボネット、2番はロビン・マッコーリー、最終コーラスはゲイリー・バーデンが担当。
特にグラハムがこの曲を1コーラス歌う光景なんて以前だったら考えられないことだ。
マイケルは笑顔で身体を揺らしながら、ふくよかなトーンであのメロディーを情感たっぷりに演奏。
当然しょっぱなから凄まじい歓声が会場に渦巻いていた。
SHOWも終盤、マイケルが最新作の曲「Messin’ Around」を紹介。
MSFを始めてからのマイケルはMCの楽しみに目覚めたのだろうか?
それはともかく、雰囲気がモロにグラマラスなブリティッシュ・ロックであるだけに、
過去のクラシック曲とも遜色なくハマる。
“That was fun”とつぶやいたマイケルがおもむろに「Armed And Ready」のリフを弾き、
お馴染みのギター・ソロでは1フレーズごとに歓声が上がる。サビは当然大合唱だ。
UFOの「Rock Bottom」はロビンが、続いてドゥギーが1番と2番をそれぞれ担当する。
マイケルにとっての最大の見せ場である即興ソロは約10分。
ペンタトニックを繰り返しているだけでもそこには鬼気がこもり、連発されるアルペジオは美しくも殺気があふれている。
このソロが終わってバッキングに戻る時は緊張と緩和の効果があり、観ている側もなんとなく安心してしまう。
メンバー全員に見守られる中、テッドが短いドラム・ソロ(叩いているうちにどんどんリヴァーブが強くなっていく)を披露し、
盛大なラストが締めくくられた。
マイケル・シェンカー・フェスト2018 2018.9.5 @東京 国際フォーラム ホールA セットリスト
1. Holiday
2. Doctor Doctor
3. Live And Let Live
4. Vigilante Man
5. Lord Of The Lost And Lonely
6. Take Me To The Church
7. Before The Devil Knows You’re Dead
8. Into The Arena
9. Bad Boys
10. Save Yourself
11. Anytime
12. Heart And Soul
13. Love Is Not A Game
14. Warrior
15. Captain Nemo
16. Dancer
17. Desert Song
18. Night Moods
19. Assault Attack
20. Searching For A Reason
21. Coast To Coast
22. Are You Ready To Rock
23. Attack Of The Mad Axeman
24. Rock My Nights Away
25. Messin’ Around
26. Armed And Ready
27. Rock Bottom
28. Shoot Shoot
29. Natural Thing
30. Lights Out