(1943-2021) 北海道生まれ、明治大学を卒業、風土会会員・日展会友・示現会委員、1990年 示現会安田火災美術財団奨励賞受賞、画集出版、全国有名百貨店にて個展多数開催、洗練されたシャープな描線と独特の透明感ある色彩が特徴、独自のリアリティを持った表現力は独特の色彩をうみ、樹木の色彩には「小田切グリーン」の愛称がつくほど

小田切の作品は、洗練されたシャープな描線と透明感ある独特の色彩が特徴で、そのリアリティ豊かな表現力によって独自の世界観を生み出しています。特に樹木の色彩表現は評判が高く、彼の作品でよく見られる緑色は「小田切グリーン」として親しまれています。

小田切訓「雨上りの道庁」油彩 60号 大作
この作品「雨上りの道庁」は、小田切訓による代表的な風景画の一つで、北海道庁旧本庁舎、通称「赤レンガ庁舎」を描いたものです。130cmの大きなキャンバスに広がる情景は、雨上がりの澄んだ空気と静けさが美しく表現されており、観る者を一瞬でその場に引き込むような臨場感を生み出しています。

小田切の特徴である、洗練されたシャープな描線と独特の透明感のある色彩が、この作品でも際立っており、特に濡れた地面に映り込む建物や木々の反射は繊細な筆致で描かれています。青みがかった色彩が、雨上がりの冷涼な雰囲気と静寂を強調し、道庁の重厚で歴史ある姿が見事に捉えられています。また、この作品は特に木々やレンガ造りの建物の色使いに、小田切の独特の色彩表現が見られます。60号という大きなサイズにより、画面全体の細やかなディテールや光の効果がより一層際立ち、北海道庁の建物と雨上がりの情景が観る者に強い印象を残す一作です。