【 幻のカルトワイン 】
今回出品の「シー・スモーク」は、日本で目にすることが先ず出来ないであろう
超レアなカリフォルニアのカルトワイン。
2004年に制作され
世界的大ヒットを記録したワイン映画
「サイドウェイ」。
劇中には実在するワイナリーとワインが多く登場し、
ワインファンを釘付けにしました。
その後日本でもリメイク版「サイドウェイズ」が製作され、
小日向文世が主演をつとめました。
その撮影地となったカリフォルニア州海岸サンタ・バーバラ/サンタ・リタ・ヒルズに、1999年設立のワイナリーが
「シー・スモーク・セラーズ」。
近年躍進目覚しいサンタバーバラ群サンタ・リタ・ヒルズ。
ブルゴーニュによく似た寒暖差の激しい気候が上質なピノノワールを育てます。
今ではナパ、ソノマに匹敵する名産地となり100を超えるワイナリーが点在。
プレミアムからカルトまで過去幾つもの珠玉のピノノワールが生まれましたが、
中でも最も愛好家の視線をさらったピノが
この「シー・スモーク」なのです。
ちなみに
「サイドウェイ」作中にも登場します。
ファーストヴィンテージは、2001年。
この年サンタ・リタ・ヒルズはワイン指定栽培地域(AVA)として認定されます。
稲妻の如き戦列デビューを飾ったシー・スモークは、リリース年で
ワインアドヴォケイトとワインスペクテーター二大誌大台突破のスーパー・ルーキーとして話題を独占。
その後も2003/2004/2005/2006年と処女作から
四作連続でスペクテイター年間TOP100入り
という新人離れの偉業を打ち立てます。
たちまち「世界クラスのカリピノ」の筆頭銘柄に挙げられるまでに急成長し、
現在でもこの記録は唯一の最長不倒として塗り替えられることのない金字塔です。
パーカー96点以上の Extraordinary 生産者の1人なのです。
シー・スモークの葡萄は、自社のボトリング以外にも「フォクスン」「ブリュワー・クリフトン」などの当地代表ワイナリーに供給されますが、
なんとフォクスンの2004年シースモーク・ピノ・ノワールが、
パーカー96点の最高点を獲得。
同じくブリュワー・クリフトンの2007年シースモーク・ピノ・ノワールが、
パーカー96点の最高点を獲得しています。
日本へもファーストリリースから正規輸入が始まり、知る人ぞ知るカリピノとして、極少量ながらも輸入とリリースがなされました。
異変が起きたのは本作の2005年。
一般マーケットから忽然と姿を消し、
2006年には一般流通が一切無くなりました。
輸入元による方針転換で、
ただでさえ極少の輸入本数のほぼ全てを
レストラン&有力ホテル、百貨店限定
取り扱いとしたのです。
そんな背景もあり、このシー・スモーク2005を、このタイミングでお出しできるのが『奇跡』。
シー・スモークでは、ブドウは全てビオディナミ農法で栽培されます。畑は、標高106~198m谷の中腹にある非常に険しい傾斜に位置し、土壌は浅い粘土層、ほぼ全てが南向きに面しており、収穫は全て手積みで行います。
カリフォルニア寒流からの冷たい霧が、畑の周囲一面を覆い、
斜面によって生じる長いハングタイムは、小粒で凝縮味のある良質ピノノワールを育てます。
魅惑的なフレーバーと繊細なタンニンが、冷涼な気候の酸によって引き立てられた上質ピノノワール。
ほのかな香ばしさもある果実の甘みには、カリフォルニア特有の奥深さがあります。
ブルゴーニュ・グラン・クリュにも匹敵するカリフォルニア・バーガンディテイスト・カルト・ピノノワール。
手に出来るのが正に奇跡です。