読み方付【木版古今和歌集】凡河内躬恒、伊勢の和歌 江戸時代 仙台藩 (伝来 古文書 古筆 掛軸 公家 歴史 茶道 くずし字 仮名)

読み方付【木版古今和歌集】凡河内躬恒、伊勢の和歌 江戸時代 仙台藩 (伝来 古文書 古筆 掛軸 公家 歴史 茶道 くずし字 仮名) 收藏

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江戸時代に刷られた木版「古今和歌集」春の歌(上)の和歌を出品いたします。


<年代について>
刷られた時期の詳細は不明ですが、1800年以前です。同じ古今和歌集が 国立国会図書館のホームページに掲載されております。


<和歌の作者について>
凡河内躬恒
平安前期の歌人。生没年不詳。三十六歌仙の一人。紀貫之と並称される歌人。はやく《寛平御時后宮歌合》に紀貫之とともにその名が見え,卑官ながら,歌歴は華々しい。紀貫之・壬生忠岑・紀友則とともに《古今和歌集》撰者の一人。家集《躬恒集》があり,《古今集》以下勅撰集に194首入集。《小倉百人一首》にも選ばれている。

<旧所蔵者について>
旧所蔵者は、仙台藩伊達家と仙台藩医師・大槻玄沢です。


<旧蔵者・大槻玄沢について>
宝暦7年9月28日生まれ。一関藩医・建部清庵に医学を、江戸で杉田玄白、前野良沢に蘭学をまなぶ。長崎に遊学後、天明6年江戸で仙台藩医となり、京橋に日本最初の蘭学塾「芝蘭堂(しらんどう)」をひらく。文政10年3月30日死去。71歳。名は茂質。字(あざな)は子煥。号は磐水、半酔半醒。著作に「重訂解体新書」「蘭学階梯(かいてい)」など。


<出品した木版古今和歌集の状態について>
経年による虫食い・焼け・黒ずみがございます。 木版古今和歌集は、厚紙に貼付されております。


<来歴について>
江戸時代に仙台藩伊達家に医師として仕えていた木村寿禎が収集し、所蔵していたものの中から出品しております。
所蔵されていたものの多くは、京都の公家(近衛家、鷹司家、九条家、大炊御門家)が書いた古文書でした。
伊達綱村(仙台藩第4代藩主)が近衛基熈を通じて公家の茶道具や古文書を入手したり、京都の公家の娘が伊達家当主に嫁いだ際に嫁入り道具の一つとして古文書を持参したため、仙台藩では公家が書いた書物を多数所蔵しておりました。
その後、一部の古文書は伊達家から仙台藩医の木村寿禎に渡り、木村家で代々受け継がれております。


<サイズ>
木版古今和歌集:縦26.3㎝、横17.2㎝
厚紙:縦29.7㎝、横21㎝


<送付方法等>
・送料は落札者様のご負担となります。「おてがる配送ゆうパケットポスト」にて発送いたします。複数ご落札いただいた場合は同梱させていただきます。
・発送の際は、読み下し文と現代語訳もお付けいたします。


<かんたん決済の仕方について>
こちらに掲載されております。

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<読み下し文>
(雁の声をききて、越へまかりにける人を思ひてよめる     凡河内躬恒)
春くれは雁かへるなり白雲のみち(道)ゆきふりにこと(言)やつてまし(和歌番号三〇)

帰雁をよめる     伊勢
春霞た(立)つを見捨てゆ(行)く雁は花なき里にす(住)みやならへる(和歌番号三一)

題しらす よみひと(読人)しらす
折りつれは袖こそ匂へ梅(の)花ありとやこゝに鶯のな(鳴)く(和歌番号三二)

色よりもか(香)こそあはれとおもほゆれた(誰)か袖ふれしやとの梅そも(和歌番号三三)

やとちかく梅(の)花うへしあちきなくま(待)つ人のか(香)にあやまたれけり(和歌番号三四)

梅(の)花た(立)ちよるはかりありしより人のとかむるか(香)にそしみける(和歌番号三五)

むめ(梅)のはな(花)をお(折)りてよめる 東三条左のおほいまうちきみ(大臣)


<現代語訳>
(雁の声を聞いて、北陸に下っていった人に思いを馳せながら詠んだ歌 凡河内射恒)
春が来たので、北国に飛び帰る雅の鳴き声が聞こえる。それならひとつ、雁が白雲の中の道を飛んでゆくついでに、越路にいる友人に便りをことづけようかしら。(和歌番号三〇)

北に帰る雁を詠んだ歌    伊勢
春霞が野山に立ちこめるよい季節になったのに、それを見捨てて北の国に帰ってゆく雁は、花の咲かない里に住むくせがついているのだろうか。(和歌番号三一)
 
題知らず    読人知らず
花を折ったのだから、私の袖は匂っているのだが、花があるわけではない。けれど、梅の花がここにあるのかと思って、鶯が鳴きにくるよ。(和歌番号三二)

読人知らず
わが家の庭前の花は色はとにかくとして、香りこそすばらしく思われるのだ。誰が袖を触れて、その移り香をこの花に残したのだろう。(和歌番号三三)

読人知らず
庭先近くには、梅の木を植えまい。一本植えたところが、それがあまり高く香って、私が待っているあのお方の袖の香に、まちがえそうで困っている。(和歌番号三四)

読人知らず
梅の木の傍に、ちょっと立ち寄るだけのことをしたところが、たちまちその香にしみてしまって、誰かの移り香と思われ、人から咎められる始末となった。(和歌番号三五)

梅の花を折り取って詠んだ歌 源常(ときわ)


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