■ 鼻煙壺概要
稀少
清時代 宣年製(1909年)
高さ 約92mm 厚さ 約33.5mm 重さ 約135.6g
鼻煙壺、別名、スナッフボトルと謂れた、嗅ぎ煙草入れの容器のことである。 嗅ぎ煙草とは、呼んで字の如く、「鼻で嗜む煙草」と言う意味。 新しい嗜好品として、中国の明の時代(1368~1644)にイタリアからから中国に伝わった。 その目新しさと、「百病を鎮める」薬効があると言われた嗅ぎ煙草は、上流社会を中心に中国でも大流行しました。
ヨーロッパでは、「鼻煙箱」と呼ばれる装飾された箱に入れられていた「嗅ぎ煙草」がなぜ中国で「鼻煙壺」と呼ばれる容器に入れられるようになったのでしょうか?
その時代は北京の宮廷内に鼻煙壺を専門に作る工房が置かれ、 そこで作り出される『皇帝の鼻煙壺』は、その他の民間で作られる雑多な物と区別するため『官料鼻煙壺』と呼ばれ、主に家臣への褒美や外交時の手土産などに使われました。
鼻煙壺素材もまたさまざまに分化し金や銀や錫の金属製・玉や瑪瑙等の貴石の鼻煙壺や、白磁などの陶器や硝子やエナメル彩・象牙等々、ありとあらゆる素材がこの小さな壺、鼻煙壺に使用されました。
また、その時代の高価な美術品的価値から諸外国の外交の土産品としても活用され、逆戻りをした鼻煙壺は、ヨーロッパの香水瓶に影響を与え今日に至るまで、その形を伝えています。
日本でも生産された鼻煙壺は、有田や伊万里などの窯で作られ、海外に輸出されていったこともあるそうです。
アメリカやヨーロッパでは、鼻煙壺はコレクションの対象となっており、 かなりの数のコレクターがいるそうです。
芸術性が非常に高いものもあり、中には数千万円台で取引されるものもあり、 有名な美術館は、大体鼻煙壺の収蔵品を多数取り揃えています。
ずっしりとして、重量感に溢れた逸品。価値の分かる方がいらっしゃいましたらどうぞ。