戦前製客車といえばダブルルーフを特徴とする車両が多数でした。
このダブルルーフの表現方法は数々ありますが、ハイクオリティモデルとして世に出したのがニワ模型だったとのことです。
部品点数が多く、作り込まれたその部分はやはりコストに乗っかったようで、
6000円~7000円が標準的なキット価格の時代に2万円で少しお釣りが来る、
台車を含めれば2万円を余裕で超えてしまう高級キットでした。
しかも、キット組み立てにはそれなりのスキルが必要で、素人お断りの奥深い世界でした。
現在でも、ダブルルーフ客車は入門製品がなく、ある一種の覚悟があるマニアしか到達できない至極の頂にある世界です。
一部完成品もあったようですが、完成品として量産されたものではなく、メーカーの組み立て見本や塗装見本の片手間にお抱えモデラーがごく少量製造したに過ぎないレアアイテムらしいです。
こちらの品は、そんな玄人向けキットをプロが組んだ生地完成品で、あとは小物や塗装と内装を手掛ければ完成という状態です。
いわゆるコテ作業は終了しているとの認識の品です。
当時としては大変高価で、委託製造なんかしたものですから入手できたのは3両ほどらしいです。
マイテ等のいわゆる人気車両は完成品がリリースされていましたので、それら車両と組み合わせと
なんとも凸凹な編成を完成状態として目指したようです。
詳細は写真で確認ください。
個人的には、床下部分の梁の表現なんかはたとえメーカー標準でも頼んで再現するものではないと思います。