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オルトフォンのパッシブスピーカー「Concorde 105」です。
以下の整備を施しています。
・ ネットワークの再構築
・ 配線の引換え
・ ウーファーエッジの張替え
ディバイディングネットワークの基板を撤廃し、すべてのパーツを直接続する方法に組み替えています。(写真9枚目右下)
回路設計はオリジナルから変わりません。
HPF用コンデンサは、電解コンデンサ単発から東信工業製PETフィルムとJantzenAudio製音響向け電解コンデンサを併用する形にしています。
セメント抵抗は、JantzenAudio製酸化金属皮膜抵抗に交換。
コイル類はすべて既存再利用です。
上記に合わせて内部配線も引き換えています。
ツイーター用はJVC製OFCスピーカーコード、ウーファー用はSharkWire製「SNZ1.5」を採用しています。
ウーファーのエッジを、ゴム製からウレタンフォーム製に張り替えています。(写真7、8枚目)
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キャビネット外観は、片方の背面側底面部の角に打痕(写真6枚目)がある以外は、擦り傷もほぼ無く綺麗な状態です。
前面ネットにも穴や剥がれはありません。
底面にはフェルト製クッションを貼ってあります。
ドライバーを固定するネジは、キャップ部を真鍮カラーで上塗りしてあります。
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レコードプレーヤーのDJ向けカートリッジの金字塔「Concorde」の名を冠する、デンマークの老舗オルトフォン謹製スピーカーです。
シリーズ中で最小となるミニブックシェルフ型ですが鳴りっぷりが良く、登場当時好評を博しました。
音は明るいながらも制動の効いた雰囲気。LPFがシンプルな6dB/octのため、高めの中音の音数の多さが特徴としてあります。バスレフはやや低めの設定で、体積のわりには下まで伸びている印象です。
整備では、劣化して硬くなりはじめていたゴムエッジの張替えと、分波回路のグレードアップを施しています。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:140W x 218H x 207D mm
・ 重量:2.6kg
・ インピーダンス:6Ω
・ 再生周波数帯域:80Hz~25kHz
・ 許容入力(rms/max):20/50 W
・ 出力音圧Lv:87dB/m