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某ショップのレビュー

ギリシャ出身の現代音楽系作曲家、ミカエルグリゴリオウが９３年頃に制作した大規模な現代オペラ作品。リリースはギシシャＬＹＲＡからスリップケースに厚手のブックレットが付された２枚組のＣＤ作品で、現在ではけっこう入手困難なためか、Ｄｉｓｃｏｇｓでは既に７０ユーロ前後で流通している１枚。編成は管弦オーケストラ、混声合唱隊、キーボードが２人、ソプラノ、バリトン、テナーの各歌手が参加した布陣。この奏者の中でも注目は女性歌手として現代音楽からプログレ、ギリシャフォーク系まで幅広い作品を残しているサヴィナヤナトゥーがソプラノヴォイスで参加、他にはギリシャのジャズシーン出身ながらクラシック方面をもレパートリーにする異能ピアニストで、２０００年代にはＥＣＭからもアルバムリリースがあるヴァシリスツアブロプーロスがキーボードで参加といったところ。作風はこのジャケットのセンスそのまんまの重厚で晦渋な雰囲気のコーラスを主軸にした現代オペラといった感じで、このコーラスパートは少しカールオルフのカルミナブラーナを思わせたりするものの、１２音や無調なんて頓着が無いという意味ではあまり現代音楽的には聴こえず、作品コンセプトは似ているとはいえルイージノーノの現代オペラみたいなのを期待してはダメで、実はギリシャの現代音楽はこういうのが主流派だったりしてほとんど従来からのクラシック音楽の枠内といった印象。因みに歌われている詩はギリシャはアテネ出身、１９２２年生まれで１９８８年に没した左翼活動家で詩人の、タッソスリヴァディティスの詩が用いられているという事で、この歌詞はブックレットに英語で訳されて掲載もされているので興味のある方は一興