◆ Roon を動かすための最小スペックとは ◆
Roonが動作可能な環境は以下のとおり(Roon公式)
■ intel nuc(第5世代以上)
■ 4GB 以上のメモリ
■ 128GB 以上のSSD
ただしこれは「動作する」最低限の性能であって、決して十分な性能とはいえません
出来る限り高性能な intel nuc に ROCK(Roon Optimized Core Kit)をインストールすることで
音楽の再生品質を向上させることができます
◆ Roon に最適(推奨)な intel nuc とは ◆
Roonの公式サイトによれば
■ 小~中規模ライブラリー (最小構成)
NUC11TNHi3 (4GB メモリ / 128GB M.2 SSD)
■ 大規模もしくはDSPを頻繁に使用する場合
NUC11TNHi7 (8GB メモリ / 256GB M.2 SSD)
注目すべきポイントは、DSPを頻繁に使用する場合は
8GB メモリ / 256GB SSD を推奨している点です
Roon で高音質再生を目指すならば、8GB メモリ / 256GB SSDは満たしたいところです
◆ 難しい intel nuc 選び ◆
intel nuc のシングルコア性能が重要なわけ
Roon は設定において、シングルコア動作とマルチコア動作の選択が可能です(MUSE)
実際に音楽を聴いてみると、明らかにシングルコア動作の音が良いのが分かります
シングルコア動作の音は空間が広く開放的なのに対して、マルチコア動作の音は
若干、詰まった「息苦しい音」に聴こえます
シングルコア動作は一本の線上で処理をしているのに対し、マルチコアは処理を何本にも切り離して
複数のコアで処理した後で、最後につなぎ合わせています(イメージ)
理論上では結果はどちらも同じはずなのですが、実際の音が違うところが デジタルの不思議です
この音の違いは Roon も認めているところです
アルバムのライブラリー追加や検索などには総合的な性能が大切ですが、Roonの音楽再生においては
「シングルコア性能が大切」とネットで書かれているのはこのためです
◆ Roon (Core) の動作には “強力な” CPUが必要 ◆
PCM44.1kHz(CD音質)と DSD11.2Mhz の音の違いとは
PCM 44.1KHz (CD) : 音圧が高く聞きなれた音ですが、音量を上げるとやかましく音楽が破綻しやすい
DSD 64 (2.8MHz) : 解像度が上がり、空間表現(縦・横・奥)が出てくる
DSD 128 (5.6MHz) : 音が濃くなり、声や楽器の実態感が感じられる
DSD 256 (11.2MHz) : 一気に解像度が上がり、音の背景が静かになる
非常に生々しい音になり、演奏者が目の前にいるような感覚を覚える
16bit44.1khzとDSD11.2Mhzは、音声のサンプリングレートと量子化ビット数の違いによるものです。
44.1khz (CD音質) : 1秒間に 44,100回のサンプリング
DSD11.2Mhz : 1秒間に11,200,000回のサンプリング
DSD11.2Mhz は 44.1khzよりも250倍ものサンプリングをこなしているのです
高音質のDSDにアップサンプリングするには “強力な” CPUが必要”
といわれる理由はここにあります。
旧世代の intel nuc はここがネックになるわけです。
◆ それでは、本機の DSD 変換処理能力を調べてみましょう ◆
測定条件 : 下記(最も負荷のかかる)の条件で曲を再生して
CPU処理速度インジケータ で速度を測ります
■ 44.1khz を DSD256 (DSD11.2Mhz) にアップサンプリング
■ ΔΣモジュレータを最大の 7th order CLANS に設定
■ さらに、ΔΣモジュレータ並列処理 OFF
■ ネイティブDSD処理 ON
測定結果 : 【 1.2 × 】シングルコア再生
1.0 × 未満 CPU使用率が100%を超え危険な状態
1.3 × DSD機能を使用できる限界値(不安定)
1.8 × 以上 処理安定(DSD処理の高負荷時でもCPU稼働は50%以下)
この数字は、数値が大きいほど安定動作の指標となります
これは、特定のタイムスライスでの処理において、どれだけの時間がかかったかを表しており
たとえば、オーディオストリームの100msでDSPを実行するのに10msかかれば「10x」と表示されます
1.0 × は入力と出力がリアルタイムで動作しており、余裕なくCPUが稼働していることになります
※ タイムスライスとは、
CPUやMPUといったマイクロプロセッサの利用時間をミリ秒単位やマイクロ秒単位で分割して、
実行中のプログラムを順番に割り当てる処理を指します。
◆ 参考 : Roon純正サーバー Nucleus ◆
Nucleusとは Roonが自ら開発したRoonのためのRoon専用サーバー
※ 標準モデルはDSP機能制限モデル です
標準モデルはDSP機能はPCM領域でのみ使用可能。
DSDソースを使用する機能の組み合わせ、アップサンプリング又はマルチプロセスは使用不可。
Nucleus+ は全てのDSP機能を使用可能。
DSDへの変換やアップサンプリングが出来ません。
していることを考えますと、高い負荷がかかるDSDへのアップサンプリングをするには
高いCPU性能に加えて、より大きなメモリとSSDの搭載を安定動作の基準としているのかも知れません。
ただし、この辺についてはRoonの公式見解は出ておりません。
当方は状態の良い intel nuc だけを吟味して調達しております。
7世代や8世代の古い intel nuc や傷の多い商品などは決して出品いたしません。
同じオーディオ愛好家として素晴らしい商品を、気持ちよくご使用頂きたいと思っています。