数年前に、こちらに出品されていたバイオリンです。
とても美しい古いバイオリンですが、なかなか機会がなく、保管したままになっているので、
使っていただける方にお譲りしようと思い、出品することにしました。
※このバイオリンについての詳細は、前出品者様の説明がとても詳しくわかりやすいので、そちらを抜粋して掲載します。
前出品者様の説明によると、こちらのバイオリンは、
バイオリニストをしているフランスのご友人が、セカンドバイオリンとして所有されていたものだそうです。
専門店の購入の品ということで、状態も良くメンテナンスも行き届いているそうです。
ラベルはありませんが、左エフ下と、裏板のボタン下に、同一の「HOPF」の刻印が焼き付けられています。
(HOPFとはCaspar Hopf(キャスパー・ホップ/1650-1711)とDavid Hopf(デビット・ホップ/1762-1786)という非常に有名なヴァイオリン作家と彼らを模倣、参考し数々の優れた個体を生み出した系統のファミリーのことです。)
こちらのバイオリンは、1850年以前に作られた、HOPFの弟子作品と思われます。
裏板のスタンプ下に、薄く文字が書かれていますが、ネックおよびボタン周りの修繕を1914年に行った旨が書かれています。
☆バイオリンの状態について
古いバイオリンなので、修理された場所がところどころにありますが、破損や歪み、剥がれなどなく、良い状態です。
ボタン下の継ぎ修復は、目視では全く気にならないほど溶け込んだ状態で、ニスの光沢感の乖離や段差もありません。
こちらに届いた時に、梱包材の跡がバイオリン表面のニスについてしまっていたので、一度返送して、前出品者様の元で、ニスの修繕をされています。
再度こちらに届けてもらった時に、フィッティングが全て取り外された状態でしたので、こちらでフィッティングを取り付けました。
ボタンがもともとこのバイオリンに付属していた物とは違うものが入っていたようで、2個入っていましたが、どちらもサイズが合わなかったので、小さい方のボタンを使用し、穴に合わせて紙を巻いて応急処置をしています。多分新品と思われるボタンも1個付属していましたので、そちらをボタン穴に合わせて削って使用されるのが良いと思います。
魂柱は立っています。
今回は、現状のまま出品します。調整が必要です。
☆バイオリンの音色について
現在、未調整で、ベストな状態ではないので、前出品者様の説明を載せます。
「ジャーマンヴァイオリンは低音側に偏りがちな籠ったような音色の楽器を想像される方も多いと思いますが、そんなことはないと印象を大きく変えるものになるでしょう。
全体の音色の傾向はバランス型で、強烈な個性はありませんが、単純な音階や曲の中で低音から高音に向け、音響特性が非常に細かく変化する、まるでヴァイオリンに演奏をアシストされているような感覚が常にあります。
sulGは弓圧をかければ振動が指板や隣の弦を叩く軽い雑音交じりの唸りを上げ、逆にコントロールにより難しい低音側からの移弦の声質変化をほとんど気づかせないレベルまで抑えることができます。
中音域はフレンチやオーストリアの高級楽器のような艶々とした女性的音色で、発音に金属的なものを全く感じないオールド楽器特有の懐の深さをしっかりと持っており、高音は指板の非常に高い位置まで雑音がほとんど入りません。
通常運指により弦長が短くなる(高音になる)とボウイング時の力のコントロールの難度が増し、慣れない場合それは音の歪みや雑音となって現れるのですが、このヴァイオリンは作られた時代が非常に古いためネック角が浅く、駒高が低めであることからそうした場合でもコントロールが非常に容易でストレスを感じにくいのです。
音響特性がビオラのようなナチュラルな低音と豊かで艶やかな中音域、伸びのある雑味少ない高音と良いとこ取りのような特性を持っており、和声奏法時に信じられないほど素晴らしく響きます。
異なる特性を鳴らす代償としてかオールドらしく音量は若干控えめです。」
かわいい楓の駒の、小柄で軽めのバイオリンです。
☆バイオリンのサイズ
本体:35.4cm、重量:約443グラム(現在のフィッティング込み)
☆配送について
ヤマト宅急便で発送します。
写真に写っているケースではなく、発送用の古いケースを使用します。
(ケースはファスナーが壊れていますので、ケースは梱包資材の一つとお考え下さい)
丁寧に梱包して発送しますが、輸送の際に魂柱や駒が倒れる場合があります。ご容赦ください。